source: 映画通信シネマッシモ☆映画ライター渡まち子の映画評
恋愛に疲れた女性と独身中年男の恋を描く「娚の一生」。トヨエツ、枯れてますなぁ。
キャリアウーマンの堂薗つぐみは、東京で、仕事と恋愛に疲れ、祖母の死をきっかけに田舎の家を継ぐことにする。そこに、祖母から家の鍵を預かっていたという大学教授・海江田醇が現れ、半ば強引に離れに住み始める。歳の離れた海江田の求愛に、つぐみは戸惑うが、ちぐはぐな生活の中、次第に海江田と心を通わせていく…。
原作は、西炯子のベストセラーコミック。先が見えない恋愛に疲れはてたヒロイン・つぐみは、もう恋などしないと決めている“こじらせ女子”だ。彼女に惹かれる中年男性・海江田もまた一筋縄ではいかない。複雑な家庭環境で育ち、一生独身で家庭を持つこともないだろうと漠然と思っていたモテモテ中年。こんな難しいキャラを、シルバーグレーの髪と枯れた風情でひょうひょうと演じる、トヨエツこと豊川悦司が実にハマッているのだ。この映画のポスタービジュアルにもなっている、足にキスをするちょっとエロティックな場面が登場するのは終盤になってから。実はそこにいたるまでの、どこかズレた、それでいてさりげない優しさに満ちたエピソードに味がある。自分本位に見えるのはつぐみに気を使わせず、彼女の本音を引き出すため。年齢を重ねたからできる計算ともとれるし、天然にも思える。「練習や思て、僕と恋愛してみなさい」のような、静かで情熱的な言葉が、イヤミに聞こえないのは、柔らかい関西弁(京都)のおかげかもしれない。ただ、つぐみがいきなり染色家になる安直さと、原作に登場する震災を切り捨てた点は評価が分かれそうだ。大人同士の恋愛物語だが、壁ドンならぬ床ドンや、「恋なのでしかたありませんでした」などのグッとくる決め台詞で大人女子をときめかせる胸キュン系の作品である。
キャリアウーマンの堂薗つぐみは、東京で、仕事と恋愛に疲れ、祖母の死をきっかけに田舎の家を継ぐことにする。そこに、祖母から家の鍵を預かっていたという大学教授・海江田醇が現れ、半ば強引に離れに住み始める。歳の離れた海江田の求愛に、つぐみは戸惑うが、ちぐはぐな生活の中、次第に海江田と心を通わせていく…。
原作は、西炯子のベストセラーコミック。先が見えない恋愛に疲れはてたヒロイン・つぐみは、もう恋などしないと決めている“こじらせ女子”だ。彼女に惹かれる中年男性・海江田もまた一筋縄ではいかない。複雑な家庭環境で育ち、一生独身で家庭を持つこともないだろうと漠然と思っていたモテモテ中年。こんな難しいキャラを、シルバーグレーの髪と枯れた風情でひょうひょうと演じる、トヨエツこと豊川悦司が実にハマッているのだ。この映画のポスタービジュアルにもなっている、足にキスをするちょっとエロティックな場面が登場するのは終盤になってから。実はそこにいたるまでの、どこかズレた、それでいてさりげない優しさに満ちたエピソードに味がある。自分本位に見えるのはつぐみに気を使わせず、彼女の本音を引き出すため。年齢を重ねたからできる計算ともとれるし、天然にも思える。「練習や思て、僕と恋愛してみなさい」のような、静かで情熱的な言葉が、イヤミに聞こえないのは、柔らかい関西弁(京都)のおかげかもしれない。ただ、つぐみがいきなり染色家になる安直さと、原作に登場する震災を切り捨てた点は評価が分かれそうだ。大人同士の恋愛物語だが、壁ドンならぬ床ドンや、「恋なのでしかたありませんでした」などのグッとくる決め台詞で大人女子をときめかせる胸キュン系の作品である。
【60点】
(原題「娚の一生」)
(日本/廣木隆一監督/榮倉奈々、豊川悦司、安藤サクラ、他)
・娚の一生@ぴあ映画生活