2015年2月22日日曜日

トレヴィの泉で二度目の恋を

source: 映画通信シネマッシモ☆映画ライター渡まち子の映画評








正反対の性格の老齢の男女が恋に落ちる恋愛映画「トレヴィの泉で二度目の恋を」。主役二人の貫禄でもっている作品。



妻を亡くし新しいアパートに引っ越してきた80歳のフレッドは、隣に住む陽気でおしゃべり好きな老女エルサと出会う。最初の印象は最悪だったが、虚言癖のあるエルサは、無口で不愛想なフレッドの優しさに気付き、おしゃべりや散歩、ダンスなどに誘うのだった。互いをやっかいな相手だと思っていた2人は次第に惹かれ合っていく。ローマのトレヴィの泉に行くのが長年の夢だと語るエルサだったが、実は彼女には秘密があった…。



日本では若い男女の青春ラブロマンスが好まれるが、欧米には大人の恋を描く映画が根強い人気だ。しかもシャーリー・マクレーン、クリストファー・プラマーという2大オスカー俳優たちが、肩の力を抜いてサラリと小粋に演じてくれるのだから、うらやましい。本作のオリジナルはアルゼンチン・スペイン合作の「エルサ&フレッド」。「イル・ポスティーノ」の名匠マイケル・ラドフォード監督は、フェリニーニの名作「甘い生活」を大切なキーワードとして何度も登場させる。陽気なエルサの話はほとんどがホラ話だということは、頑固ジイさんのフレッドは薄々感じていたはずだが、みじめだった自分の人生の終盤に現われて「生きる意味を教えてあげたい。まず一歩踏み出すの」と背中を押してくれたエルサに恋せずにはいられなかったのだ。ローマへの冒険の旅、エルサの秘密、嘘の中にそっと隠していた真実。「甘い生活」の再現シーンは、正直、見ていて気恥ずかしいものがあったが、マクレーンとプラマーの熟練の前では、許せてしまうのだ。いくつになっても恋と駆け引きをするエルサとフレッドを見ていると、人は最後まで輝くことを止めてはいけないのだと教えられた。

【65点】

(原題「ELSA&FRED」)

(アメリカ/マイケル・ラドフォード監督/シャーリー・マクレーン、クリストファー・プラマー、マーシャ・ゲイ・ハーデン、他)

(熟練度:★★★★☆)

チケットぴあ



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