2015年4月26日日曜日

寄生獣 完結編

source: 映画通信シネマッシモ☆映画ライター渡まち子の映画評




右手に寄生生物を宿した青年と謎の生物パラサイトの最終決戦を描く「寄生獣 完結編」。原作未読のファンにも分かりやすい作り。

高校生の泉新一と彼の右手に寄生したパラサイトのミギーは、人間側からもパラサイト側からも危険視されていた。そんな中、人間の子供を産んだパラサイトの田宮良子は、新一とミギーの存在に、共存の可能性を見出すが、パラサイトから母親を殺された新一はパラサイトを憎んでいた。東福山市庁舎がパラサイトのアジトと化す中、最強のパラサイト・後藤が現れ、ついにパラサイトと人間の生き残りを賭けた最終決戦がはじまる…。

岩明均の大人気コミックを実写映画化した「寄生獣」二部作の完結編は、人類とパラサイトの戦い、新一とミギーの友情、新一と里美の恋の3つを軸に描かれる。CGを駆使した絵作りやパフォーマンスキャプチャー、壮絶なバトルなどのアクションは、日本映画のレベルとしてはまずまずではなかろうか。原作ファンには不満や疑問もあるだろうが、長い長い原作を2部作としてまとめる作業は、かなり大変だったはず。そもそもこの物語の原点ともいえる“人間は何のために生まれてきたのか”、“この世に存在が許されるのは人類だけなのか”という哲学的な問いだけでも1本の映画では語れないほど深淵なテーマなのだ。人類とパラサイトの戦いは田宮良子のある選択から意外な方向へ。新一が憎しみや悲しみの果てに下す決断とその顛末は、映画を見て確かめてほしい。新一を演じる染谷将太の、時に表情を殺しながらの演技や感情を爆発させる芝居はメリハリがあって素晴らしいが、完結編ではやはり深津絵里の存在感が圧倒的だ。新一とミギーの絆を感じるラストは、未来への希望の証。その先の物語が見てみたくなった。
【65点】
(原題「寄生獣 完結編」)
(日本/山崎貴監督/染谷将太、深津絵里、阿部サダヲ、他)
(警鐘度:★★★★☆)
チケットぴあ

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