source: 映画通信シネマッシモ☆映画ライター渡まち子の映画評
記憶に障害を持つ女性が思いもよらない事態へと巻き込まれるサスペンス「リピーテッド」。記憶は常に書き換えられる可能性があるのだ。
事故の後遺症により、目覚めるたびに前日の記憶を失うという特殊な記憶障害を持つ女性クリスティーンは、献身的な夫ベンの支えで毎日を送っていた。ある日ベンの留守中に、ナッシュという医師から電話がかかり、少し前からベンに内緒でクリスティーンの治療を行っていること、ここ数週間のクリスティーンの毎日を記録した映像日記があることを知らされる。その映像を再生すると、思いもよらない真実が記録されていた…。
原作は、SJ・ワトソンのベストセラーミステリー「わたしが眠りにつく前に」。主人公クリスティーンは、記憶障害は事故のせいではなく、何者かに襲われて瀕死の重傷を負ったためだと知り、その謎を探っていく。そのためのツールが“昨日の自分からのビデオメッセージ”というところが面白い。原作では映像日記ではなく文字でつづる日記。映像にすることで、クリスティーンの不安や動揺がよりリアルに伝わってくる。壁に貼られたたくさんの幸福そうな写真、再会した親友や医師の言動、優しく献身的な夫ベンのどこか思いつめたような表情。これらすべてが複雑にからみあっている。サスペンスなので謎解きは語れないが、真相はすべて“愛”ゆえということなのだろう。ベンの真実の姿はやや唐突に感じられるが、どれほどつらい事実であっても正面から向き合えば、その先に傷だらけの幸福が待っているのだ。ニコール・キッドマンとコリン・ファースのオスカー俳優同士の共演は2度目で、どちらもワケ有の夫婦という設定。美しいがどこか寒々しい室内装飾と、キッドマンの見開いた瞳がミステリアスだった。
事故の後遺症により、目覚めるたびに前日の記憶を失うという特殊な記憶障害を持つ女性クリスティーンは、献身的な夫ベンの支えで毎日を送っていた。ある日ベンの留守中に、ナッシュという医師から電話がかかり、少し前からベンに内緒でクリスティーンの治療を行っていること、ここ数週間のクリスティーンの毎日を記録した映像日記があることを知らされる。その映像を再生すると、思いもよらない真実が記録されていた…。
原作は、SJ・ワトソンのベストセラーミステリー「わたしが眠りにつく前に」。主人公クリスティーンは、記憶障害は事故のせいではなく、何者かに襲われて瀕死の重傷を負ったためだと知り、その謎を探っていく。そのためのツールが“昨日の自分からのビデオメッセージ”というところが面白い。原作では映像日記ではなく文字でつづる日記。映像にすることで、クリスティーンの不安や動揺がよりリアルに伝わってくる。壁に貼られたたくさんの幸福そうな写真、再会した親友や医師の言動、優しく献身的な夫ベンのどこか思いつめたような表情。これらすべてが複雑にからみあっている。サスペンスなので謎解きは語れないが、真相はすべて“愛”ゆえということなのだろう。ベンの真実の姿はやや唐突に感じられるが、どれほどつらい事実であっても正面から向き合えば、その先に傷だらけの幸福が待っているのだ。ニコール・キッドマンとコリン・ファースのオスカー俳優同士の共演は2度目で、どちらもワケ有の夫婦という設定。美しいがどこか寒々しい室内装飾と、キッドマンの見開いた瞳がミステリアスだった。
【60点】
(原題「BEFORE I GO TO SLEEP」)
(英・仏・スウェーデン/ローワン・ジョフィ監督/ニコール・キッドマン、ニコール・キッドマン、マーク・ストロング、他)

