2015年7月5日日曜日

映画 ひつじのショーン バック・トゥ・ザ・ホーム

source: 映画通信シネマッシモ☆映画ライター渡まち子の映画評


ひつじのショーン~バック・トゥ・ザ・ホーム~
羊のショーンが牧場主にいたずらを仕かけたことから巻き起こる騒動を描くクレイ・アニメ「映画 ひつじのショーン バック・トゥ・ザ・ホーム」。大好きなショーンが主役の映画を見る至福に酔う85分。

牧場で平和に、でも退屈な毎日をおくるひつじのショーンは、ある日、牧場主から自由になろうといたずらを仕掛ける。だが牧場主は眠ったまま車ごと都会へと運ばれてしまい、追いかけた牧羊犬ビッツァーもまた都会へ。行き過ぎたいたずらを後悔したショーンは仲間たちと共に都会へと向かうが、牧場主は記憶喪失になっていた…。

英国のスタジオ、アードマン・アニメーションズの代表作「ウォレスとグルミット 危機一髪!」に登場する脇役キャラの子羊のショーンがスピンオフ映画となって堂々の主役を張る日がくるなんて、なんて嬉しい驚きだろう!しかも今年は羊年。人気キャラのショーンにスポットライトが当たるのは必然なのかもしれない。気が遠くなるほどの時間と労力をかけて作られるストップモーション・アニメは、手作りならではのぬくもりと愛らしさにあふれているが、本作はストーリーがこれまた実に巧みなのだ。ショーンたちが都会で繰り広げる大冒険は、牧場主の記憶喪失あり、動物収容センター捕獲人とのバトルありと多彩。さらには牧場主との父子関係ともいえる絆や自由の代償と、テーマはなかなか奥深い。今、自分の持っているものがいかにかけがえのないものかを、改めて教えてくれる物語だが、無論、説教臭い演出は皆無。むしろ、英国らしいひねりの効いたギャグでクスリと笑わせ、じんわりと感動させる心憎い演出である。映画には音はあるがセリフは一切ない。だがストーリーや感情は完璧に伝わるのが素晴らしい。団体行動が得意のひつじならではのチームワークや、まるで無声映画時代のスラップスティック・コメディのようなギャグにワクワクする。子供だけではもったいない。ぜひとも大人も見てほしい!
【75点】
(原題「SHAUN THE SHEEP THE MOVIE」)
(イギリス/マーク・バートン、リチャード・スターザック監督)
(スラップスティック度:★★★★☆)
チケットぴあ

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