2015年7月10日金曜日

ターミネーター:新起動/ジェニシス

source: 映画通信シネマッシモ☆映画ライター渡まち子の映画評


Terminator Genisys (Music from the Motion Picture)
人類と機械の闘いを描いた名作SFをリブートした「ターミネーター:新起動/ジェニシス」。本作のサラは可愛いすぎてちょっとイメージが違うなぁ…。

2029年、人工知能の機械軍と人類抵抗軍が壮絶な戦いを繰り広げている世界。人類抵抗軍のリーダー、ジョン・コナーは、敵が母サラ・コナーを抹殺するために殺人マシーン“ターミネーター”を過去へと送り込んだことを知る。ジョンは母を守るため信頼する同志カイル・リースを1984年の過去へと送り込むが、そこでは、か弱いはずのサラはたくましい女戦士に、サラを抹殺するターミネーターT-800は、彼女を守る守護神として存在していた。過去と未来が書き換えらたことを知って驚くカイルだったが…。

SFアクション映画の金字塔である名作をリブートした本作は、J.キャメロンが監督した元祖「ターミネーター」に敬意を払いつつ、このシリーズのファンをのけぞらせるような爆弾を仕込んでいる。人類のリーダーを生む女性サラを抹殺するため過去にターミネーターを送り込むという設定が同じで思わず懐かしくなるが、サラの少女時代の出来事がきっかけで時間がリセットされ、過去も未来も書き換えられたという展開は、タイムスリップものならではの荒業だ。実際、こういう設定ならば話はどうにでもなるというもの。サラとカイル、T-800は、人工知能が再起動するのを防ぐべく再び未来へと向かうが、そこにはT-3000という最強の新型マシーンがいて、これに驚きの秘密が。ネタバレは避けるが、ファンの「えーっ、それってアリ?!」という叫びが聞こえそうだ。この設定を受け入れられれば、楽しめるだろうが、逆にガッカリさせるかも…という諸刃の刃である。それにしても本作は、真面目にやればやるほどおかし味がこみあげる妙な笑いがいっぱいだ。新旧のシュワ対決しかり、サラの守護神となったT-800が時間経過と共に老けるという設定しかり。きわめつけは、有名な決め台詞「アイル・ビー・バック」と言ってみても「はぁ?!」と返されてしまうこと。サラとT-800との擬似父娘関係は、感動というより、かけあい漫才に近い。個人的には、どこまでもクールだったターミネーターが好みなので、少々期待外れだったが、アクションの迫力は文句なしだし、何とかしてオリジナルを超えようとする心意気は評価したい。エンドロールの後に、ワンシーンがあるので、最後まで席をたたずに見ていこう。
【60点】
(原題「TERMINATOR:GENISYS」)
(アメリカ,/アラン・テイラー監督/アーノルド・シュワルツェネッガー、エミリア・クラーク、ジェイソン・クラーク、他)
(コミカル度:★★★☆☆)
チケットぴあ

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