2015年8月24日月曜日

at Home アットホーム

source: 映画通信シネマッシモ☆映画ライター渡まち子の映画評


at Home (角川文庫)
犯罪で生計を立てる擬似家族の絆を描く「at Home アットホーム」。坂口健太郎、ますます加瀬亮に似てきたなぁ。

いたって平凡な森山家はいつも幸せそうな家族。だが彼らには血縁はなく、父・和彦は空き巣、母・皐月は結婚詐欺師、長男の淳は偽造職人、まだ幼い妹と弟も、家族が犯罪に手を染めていることを知っている。暗い過去を持つ5人は力を合わせて生きているが、詐欺を見破られた皐月が、ターゲットにした男に監禁され、身代金まで要求されてしまう…。

原作は本多孝好の同名小説。本多孝好といえば「ストレイヤーズ・クロニクル」があまりにトホホな出来栄えだったので、正直、心配したが、これは、まずまずの作りになっている。擬似家族を描いた作品は過去にもあったが、それぞれが振り返りたくない暗い過去を背負った一家は、犯罪に手を染めながらそれなりに楽しく暮らしているというのが本作のユニークなところだ。もっとも、空き巣の父親と結婚詐欺の母親の稼ぎで生計が成り立つのか??学校はどうなってる??などのツッコミどころは多いのだが。ともあれ、一緒に暮らすうちに血縁以上の本物の家族になった彼らが犯罪に巻き込まれ、かけがえのない家族を守ろうとする展開は、サスペンスというより人間ドラマ。しかし、一家の運命を急転させる重要なキャラクターを演じるのが、ウーマンラッシュアワーの村本大輔とは。あまりに演技が拙いのでガックリくる。反対に坂口健太郎はいい味を出していた。彼が演じる長男は偽造職人だが、師匠から学んだ“偽造の心得”は、本物に近づくことではなく、いかに自然であるかということ。彼らの生き様ともリンクして、なかなか奥深い。終盤は拉致された母親の救出劇から一気に人情ものへ。出来すぎなのだが、希望をこめたラストにホッと胸をなでおろした。
【60点】
(原題「at Home アット・ホーム」)
(日本/蝶野博監督/竹野内豊、松雪泰子、坂口健太郎、他)
(家族愛度:★★★★☆)
チケットぴあ

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