2015年8月23日日曜日

死霊高校

source: 映画通信シネマッシモ☆映画ライター渡まち子の映画評




過去に惨劇が起こった高校で怪現象に襲われる高校生たちの恐怖を描く「死霊高校」。アメリカ版・学校の怪談の趣のマイルド・ホラー。

1993年、高校演劇「絞首台」の上演中に、出演していたチャーリーが惨事に見舞われ命を落とす。20年後、チャーリー追悼のため同じ演目「絞首台」が上演されることに。公演前日、男女4人の高校生が深夜の学校にこっそり忍び込み、演劇を中止させようと舞台のセットを壊し始める。しかし偶然20年前の惨劇の映像を見てしまった4人は怪現象に襲われ、一人ずつ首つりの犠牲になっていく…。

さんざん出つくした感があるPOV(ポイント・オブ・ビュー、主観カメラ)形式と、20年前の因縁話を結びつけた学園ホラーは「深夜の学校は怖いんだよ~」との“イメージ”だけで押しきる低予算ティーン・ホラーだ。それにしても、脚本はいいかげんでご都合主義の極みである。公演を中止させようとする理由は、主演の男子生徒の演技がヘタすぎるため(しかも、本人自ら加担する始末)。入ってくださいと言わんばかりに鍵は壊れているし、深夜の高校に忍び込み怖いメに遭っているのに、ひたすら撮影を続ける理由もみつからない。さらに、都合のいいことに、必要なところではちゃーんと録画機能がONになっているではないか!物語はおそまつだが、ホラー映画のセオリーである音で怖がらせる演出はきちんと踏襲。流血描写こそないものの、演目の「絞首台」にちなんで、犠牲者は首つり状態に。舞台セットの、暗闇に続くワイヤーの描写はなかなか怖いし、戯曲のセリフがそのまま、状況に重なっていくのが上手い。スマホ撮影やYouTubeを常に意識する世代は、映像と共に生きて映像と共に死んでいくのだ。
【45点】
(原題「THE GALLOWS」)
(アメリカ/クリス・ロフィング、トラビス・クラフ監督/リース・ミシュラー、ファイファー・ブラウン、ライアン・シューズ、他)
(因縁度:★★★★☆)
チケットぴあ

にほんブログ村 映画ブログ 映画評論・レビューへ←ランキング参加中です!

人気ブログランキング←この記事が気に入ったらポチッとクリックお願いします(^o^)