2015年8月25日火曜日

かけがえのない人

source: 映画通信シネマッシモ☆映画ライター渡まち子の映画評


The Best of Me (Movie Tie-In)
(ショートバージョン)
ルイジアナ州の石油採掘基地で働くドーソンは、爆発事故に遭うが奇跡的に生還する。それをきっかけに「すべての物事には意味がある」と考え始める。ほどなくして恩人で親友のタックが他界。彼の遺言を実行するため、高校時代の恋人アマンダと再会する。かつて深く愛し合いながら、皮肉な運命によって引き裂かれた2人は、再び強く惹かれ合うが…。

過去と現在を交錯させながら描く切ないラブ・ストーリー「かけがえのない人」は、「きみに読む物語」など、多くの作品が映画化されている人気作家ニコラス・スパークスの小説が原作だ。スパークスといえばメロドラマのイメージが強いが、本作では、若者らしい初々しい恋と、分別を備えた大人の恋の対比が効いている。障害を乗り越えて結ばれたいと願う一方で、相手の幸せのために身を引くのもまた強い愛情の表れ。描かれるのは、別れて21年たった今も、一瞬たりとも忘れたことはないという絶対的な純愛だ。それにしても過去パートで徐々に明かされるドーソンの家庭環境はあまりにヒドい。この劣悪な環境で、なぜドーソンだけがまっとうでいられたのかが説明されず、恩人であるタックとの強い絆もちょっと説明不足な気がする。現在と過去を別々の俳優が演じるが、これがそろいもそろって似ていないのがご愛嬌だ。再会したドーソンとアマンダは、抑えきれない愛を感じるが、彼らの運命は思いがけない方向へと向かう。悲しいラストなのにハッピーエンドのイメージが残るのが、悲劇を描いても運命の愛を信じる物語を紡ぐスパークスらしい。
【55点】
(原題「THE BEST OF ME」)
(アメリカ/マイケル・ホフマン監督/ミシェル・モナハン、ジェームズ・マースデン、リアナ・リベラト、他)
(運命論度:★★★★☆)
チケットぴあ

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