2015年8月20日木曜日

ビッグゲーム 大統領と少年ハンター

source: 映画通信シネマッシモ☆映画ライター渡まち子の映画評


Big Game
(ショートバージョン)
フィンランド上空でアメリカ大統領専用機“エアフォースワン”が、テロリストに襲撃され墜落する。緊急脱出ポッドに乗って脱出した大統領は山岳地帯の森に着地し、かろうじて一命をとりとめる。テロリストに包囲される中、大統領は、偶然遭遇した13歳の少年ハンターと共に、サバイバルを繰り広げることになるが…。

ブッ飛んだキャラが世界一似合うサミュエル・L・ジャクソンが米国大統領とは!この時点でこの映画「ビッグゲーム 大統領と少年ハンター」はギャグと化しているのだが、そこはあえて目をつぶって見てみると意外にも楽しめる。大人になるための通過儀礼で、ひとりぼっちで鹿狩りをしていた少年と、テロリストに狙われた米国大統領が、力を合わせ、危機を乗り越え、共に成長していく。…と言いたいところだが、この映画はフィンランド・イギリス・ドイツ合作映画。世界の警察を名乗りながら絶えることなく各地で戦争を繰り広げるアメリカを痛烈に批判するメッセージが根底に流れているのだ。自分の力だけで自分に見合う獲物を狩る少年がみせる正義や勇気の前では、米国大統領のダメっぷりが際立っているのがその証拠である。凸凹コンビはいい味を出しているが、ストーリーは緊張感に欠け、アクションはトンデモな内容と、映画としてはまったくおそまつな出来。それなのにハリウッドが送り込んだ俳優は無駄に豪華キャストなのだから、映画界は不思議な世界だ。ちっとも愛らしくない顔つきの少年(ちょっとビョークに似ている)の鋭いまなざしとフィンランドの大自然だけが記憶に残る珍作アクションである。
【45点】
(原題「BIG GAME」)
(フィンランド・英・独/ヤルマリ・ヘランダー監督/サミュエル・L・ジャクソン、オンニ・トンミラ、ジム・ブロードベント、他)
(バディ・ムービー度:★★★★☆)
チケットぴあ

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