2015年9月2日水曜日

ロマンス

source: 映画通信シネマッシモ☆映画ライター渡まち子の映画評




(ショートバージョン)
鉢子は、新宿ー箱根間を往復する特急ロマンスカーでアテンダントとして働く26歳。仕事ができて後輩のフォローもさりげなくする彼女は、毎日、真面目に業務をこなしていた。ある日、映画プロデューサーを名乗る桜庭に、母親からの手紙を読まれてしまう。ひょんなことから、桜庭と共に、もう何年も会っていない母親を探す旅をすることになる鉢子だったが…。

タナダユキ監督がひさびさに撮った新作「ロマンス」は、甘い恋を想像させるタイトルとは裏腹に、恋愛要素は限りなくゼロに近い。母親との確執や生い立ちの問題を解決できていないヒロインの鉢子が、見るからに怪しげな中年男・桜庭と共に、母を探して箱根を旅するという珍道中である。いつもダメ人間に優しいまなざしを向けるタナダユキ監督らしく、本作でもヒロインの欠点を決して否定しない。仕事はできるがプライベートはグダグダの鉢子が、少しずつダメな自分を認めていくプロセスが心地よいのだ。物語はやや強引で納得できない点もあるのだが、大島優子、大倉孝二ら役者たちの好演で救われている。特に元AKB48のトップアイドル、大島優子の女優としての高い資質を発見できる喜びも。「サヨナラだけが人生だ」というセリフは名匠・川島雄三監督を象徴する言葉だが、その後に「サヨナラだけがロマンスだ」と続けるセンスに思わず唸る。
【60点】
(原題「ロマンス」)
(日本/タナダユキ監督/大島優子、大倉孝二、野嵜好美、他)
(恋愛度:★★☆☆☆)
チケットぴあ

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