2015年9月12日土曜日

ボーイ・ソプラノ ただひとつの歌声

source: 映画通信シネマッシモ☆映画ライター渡まち子の映画評


Boychoir (Music From The Motion Picture)
(ショートバージョン)
複雑な家庭環境に育った12歳の少年ステットは、母を亡くして初めて対面した父親に引き取りを拒否され、名門少年合唱団を有する私立学校に入学する。トラブルばかり起こす問題児のステットは、実は類まれな美声の持ち主だった。しかし寄宿生活や学校で彼を待ち受けていたのは、厳格な規律と同級生からのいじめだった。そんな中、ステットは、合唱団を指導するカーヴェルの導きで、歌うことの喜びに目覚め、才能を開花させていく…。

ひとりぼっちの少年が歌と師に出会い成長を遂げる音楽ドラマ「ボーイ・ソプラノ ただひとつの歌声」は、少年から大人へと成長するわずか数年間の間だけ輝くことができるボーイ・ソプラノという美声をモチーフに、12歳の少年が可能性と未来を見出す物語だ。主人公ステットの美声は神からの贈りものだが、同時のそれは永遠に持つことは許されない残酷なギフト。自分の才能を磨き上げても、変声期になればそれと決別して新たな道を行かねばならない。歌を愛することを知った少年にとって大人になること以上に過酷な運命なのである。本作は、ステットの成長物語であることはもちろんだが、同時に、若い頃才能を認められず、指導者の道を選ぶしかなかったカーヴェルが再び音楽への情熱を取り戻す再生の物語でもある。ステットの才能と努力は、周囲の大人たちにも変化をもたらしたのだ。最後にステットが選ぶ“未来”は音楽を讃えながらも、より大きな、人生というステージに立つことの意味を感じさせる。新星ギャレット・ウェアリングの好演と、脇を固める豪華俳優のアンサンブル、そして日本のわらべ歌も含む、数多くの合唱の名曲の魅力が作品を支えている。
【60点】
(原題「BOYCHOIR」)
(アメリカ/フランソワ・ジラール監督/ダスティン・ホフマン、キャシー・ベイツ、ギャレット・ウェアリング、他)
(成長度:★★★★★)
チケットぴあ

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