2015年9月19日土曜日

アントマン

source: 映画通信シネマッシモ☆映画ライター渡まち子の映画評


Ant-Man
Ant-Man [CD]
慎重1.5cmの異色ヒーローが大活躍するアクション・ムービー「アントマン」。アントマン目線のカメラワークにワクワクする。

仕事や人間関係がうまくいかず、何をやっても空回りしてしまうスコット。別れた妻と暮らす最愛の娘の養育費すら払えなくなった彼に舞い込んだ仕事は、体長を1.5センチに縮小する特殊スーツを着て、正義のヒーロー“アントマン”になるというものだった。スコットはスーツのパワーを使いこなすために過酷な訓練に挑むが、邪悪な敵がアントマンスーツを狙っていた…。

マーベル・コミックにはユニークなヒーローがたくさんいるが、このアントマンはとびきり変わっている。何しろ身長わずか1.5cmでアリと大の仲良し。アントマンになる主人公スコットは、見た目も冴えないが、中身はもっとダメダメで、仕事も家庭も失ってショボくれているというトホホな人間なのだ。ヒーローになるのも、仕事だから仕方ないというスタンスである。だが、欠点だらけの“ちっぽけな”人間が世界を救うヒーローで、ピンチこそがチャンスなのだというメッセージには、大いに励まされる。それだけではない。巨大なパワーでとんでもないことばかりやらかしている最近のマーベル・ヒーローたちは、人類を助けてるんだかぶっ壊してるんだか分からない状態で正直ハタ迷惑なことも多い。しかし、アントマンは身長1.5cm。アントマンにとって大スペクタルの闘いも、人間たちにはちょっとした痒み程度だ。思いもよらないテクニックで戦う姿が痛快だが、この映画、同じマーベル・ヒーローを笑い飛ばすギャグがふんだんに登場し、遊び心が効いている。アベンジャーズに登場するファルコンがアントマンと共演し、ちゃんと作品をリンクさせているのもニクい。ちっともカッコよくないポール・ラッドがアントマンとして奮闘する姿は親近感を覚えるが、スコットの仲間を演じるマイケル・ペーニャが実にいい味を出している。こんなにも個性的なヒーロー映画で勝負するマーベルとハリウッド映画のセンスに脱帽だ。
【75点】
(原題「ANT-MAN」)
(アメリカ/ペイトン・リード監督/ポール・ラッド、マイケル・ダグラス、エヴァンジェリン・リリー、他)
(痛快度:★★★★☆)
チケットぴあ

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