2015年9月9日水曜日

クーデター

source: 映画通信シネマッシモ☆映画ライター渡まち子の映画評




(ショートバージョン)
支援事業のため、東南アジア某国に家族と一緒に赴任することになったジャック。ところが到着した翌日に突如クーデターが発生し、政府と外国人をターゲットにした暴徒から命を狙われる。偶然知り合ったハモンドの助けを借りて、ジャック一家は間一髪ホテルから脱出するが、国外に逃げようとする途中で、このクーデターの思いもよらない現実を知ることになる…。

コメディのイメージが強いオーウェン・ウィルソンがクーデターに翻弄される父親をシリアスに演じるサバイバル・スリラー「クーデター」は、冒頭、いきなりの首相暗殺シークエンスで驚かされる。言葉も通じない異国での極限状態で生き抜く逃亡劇だが、映画の裏テーマは、アメリカをはじめとする先進国が弱小の後進国を喰いものにするからくりを痛烈に批判することだ。機内で知り合い、同じホテルに泊まっている現地の事情通のハモンドが告白する内容を聞けば、国民が暴徒化するのも無理はないと思ってしまう。とはいえ暴力や殺人に正統性はなく、ジャック一家が何とか逃げのびてほしいと願うばかり。土地勘もないのにスイスイと動くことや、顔にスカーフをまいただけの変装など、少々浅い描写が気になるが、夫が弱気になれば妻が叱咤し、足手まといな行動ばかりの娘たちが意外なところで踏ん張るなど、家族愛のドラマとしても楽しめる。
【55点】
(原題「THE COUP」)
(アメリカ・オランダ/ジョン・エリック・ドゥードル監督/オーウェン・ウィルソン、レイク・ベル、スターリング・ジェリンズ、他)
(流血度:★★★★☆)
チケットぴあ

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