2015年10月14日水曜日

カンフー・ジャングル

source: 映画通信シネマッシモ☆映画ライター渡まち子の映画評




警察の武術教官でありながら一門の名を挙げるために私的試合で殺人を犯し服役中のハーハウ・モウ。ある時、武術界チャンピオンの連続殺人事件が発生する。ハーハウは仮釈放を条件に、事件を捜査するロク警部に捜査協力を申し出る。ハーハウはこの犯罪の目的は恨みではなく、事件はさらに続くと予見。彼の言う通り、武術界のチャンピオンたちが自分が得意とする武術によって次々に殺されていく…。

謎の凶悪殺人事件のサスペンスと武侠アクションをミックスした「カンフー・ジャングル」は、「孫文の義士団」のテディ・チャン監督とドニー・イェンが再びタッグを組んだ作品だ。武術界チャンピオン連続殺人事件を捜査するサスペンス仕立てだが、早々と犯人もその目的も明かされるので、映画は謎解きには重きを置いていない。すべては武術を極めるもののプライドゆえの仕業だ。ハーハウ役を演じる正統派カンフー俳優ドニー・イェンのアクションは、美しく優美で力強い。対する悪役のワン・バオチャンは荒々しく獣のようだ。何しろバオチャンが演じる犯人のフォンは、生まれつき身体に障害がありながら、人一倍の努力でカンフーを極めた男。レプリカの“堂前の燕”を残すのも最強のハーハウと戦いたい一心なのだから、この際、ストーリーが脇に置かれるのもやむを得ない。南拳、北腿、擒拿、武器…とまるでカンフーのフルコースのように技が楽しめるが、なんといってもクライマックスの13分に及ぶ死闘がすさまじい。だがしかし!それを上回るのがエンドクレジットだ。香港カンフー&アクション映画を支えた俳優やスタッフ、裏方が贅沢に登場し、カンフー映画ファンならずとも胸が熱くなってしまうことだろう。
【60点】
(原題「KUNG FU JUNGLE」)
(中国、香港/テディ・チャン監督/ドニー・イェン、ワン・バオチャン、チャーリー・ヤン、他)
(美技度:★★★★☆)
チケットぴあ

にほんブログ村 映画ブログ 映画評論・レビューへ←ランキング参加中です!

人気ブログランキング←この記事が気に入ったらポチッとクリックお願いします(^o^)
カンフー・ジャングル@ぴあ映画生活