2015年10月21日水曜日

【オマージュ】キューブリックへのオマージュ溢れるスペイン産カルトムービー『Murder in a Blue World』(原題『Una gota de sangre para morir amando』)が面白い!

source: KUBRICK.blog.jp|スタンリー・キューブリック



※『時計…』のあのシーンのオマージュ。キューブリックも特別出演(?)している。

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※オープニング早々、ケガ人として搬送されてきた男がどう見てもキューブリック(笑。

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※老婆に扮したリオン嬢が読んでいる本がナボコフの『ロリータ』。

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※ゲイバーで美少年に扮したリオン嬢。

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※地味なメイド姿で男に接近。

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※ナース姿がよく似合ってます。

 『ロリータ』のリオン嬢七変化!!

 いやーとんだ掘り出し物でした。スペインで1973年に公開された『Una gota de sangre para morir amando』(別題名『Murder in a Blue World』『Clockwork Terror』とも)』は、キューブリックへのオマージュ溢れた正真正銘のカルト・ムービーです。

 あらすじは、多発する犯罪対策として電気ショック療法が行われている近未来。その治療の責任者であるヴィクターには看護婦をしているアンナ(スー・リオン)という恋人がいます。しかし彼女には裏の顔がありました。実はアンナは夜な夜な男を家に連れ込んではメスで刺し殺すシリアルキラーだったのです。しかしある夜、その犯行の一部始終をデイヴィッド(クリストファー・ミッチャム)に目撃されてしまい・・・というストーリー。このプロットからしてモロに『時計…』ですね。

 リオン嬢(公開当時27歳)が男を誘惑するのにいちいち変装するのですが、ある時は老婆に、ある時は美少年に、ある時はメイドに、そして本職のミニスカのナース姿とサービス満点。単なる監督の趣味では?と思うほどコスプレ三昧。おまけに『時計…』や『ロリータ』のオマージュもあってキューブリックファンには堪らない作品となっています。

 日本ではVHS、DVDとも未発売。映画としての完成度は時代のせいもあってなかなか厳しいものがありますが、後味の悪いオチはいかにもカルト!という感じ。キューブリックファン以外のカルト・ムービーマニアの需要もある程度満たせると思いますますので、DVDの販売会社様は是非とも日本語字幕スーパーをつけての発売をお願いしたいですね。その際は『青い世界の殺人』なんて面白くも何ともない直訳タイトルにしないで、『時計じかけの殺人女』とか『連続殺人鬼ロリータ・ナース』とかなるべく胡散臭い感じでお願いします!


MURDER IN A BLUE WORLD(amazon)

※お約束の「ジャケ写詐欺」。こんなシーンはないです。