source: 映画通信シネマッシモ☆映画ライター渡まち子の映画評
貝類学の権威である盲目の学者は、家族と離れひとり沖縄の孤島で貝を兎集する厭世的生活を送っていた。ある日、島に流れ着いた女流画家・いずみの奇病を、偶然にも貝の毒で治してしまったことから、静かな日々が一変。人々が貝毒による奇跡的な治療法を求めて次々と島に押し寄せるようになる。そこには、学者の息子・光や、同じく奇病を患う娘・嶌子を助けようとする地元の有力者・弓場の姿もあった。同じ頃、島の近くの火山が静かに噴火のきざしをみせていたが…。
盲目の貝類学者が、生きる意味を探る異色ドラマ「シェル・コレクター」。原作は、アメリカの作家アンソニー・ドーアの短編で、本作では、舞台をケニア沖の孤島から沖縄の離島へと移し、沖縄特有の基地問題もさりげなく反映している。また震災後の日本の不穏な空気や、自然に対する畏敬と恐れ、怒りや不条理など、さまざまな感情を盛り込んでいる。ストーリーはどこか寓話のようで、主人公の学者の心象風景は、貝の美しい螺旋や、女流画家が描く抽象的な絵、また水中撮影でとらえられた海の映像で表現。雄大な自然と小さな人間との対比、蔓延する奇病やそれを治す不思議な貝、学者と画家とのエロスなども、すべては映像で語る趣向だ。説明はほとんどない。だからこそ、学者が盲目という設定が効いてくる。目で見るのではなく、触って感じて物事を見極める、体感する作品ということだ。決してわかりやすくはないが、時にはこんな映画で感性をきたえてみるのもいいだろう。久しぶりの単独主演となるリリー・フランキーは、イラストレーター、作家、ミュージシャンなど、俳優以外にも多くの顔を持つ才人。いい意味でのボーダーレスな雰囲気を醸し出していた。
盲目の貝類学者が、生きる意味を探る異色ドラマ「シェル・コレクター」。原作は、アメリカの作家アンソニー・ドーアの短編で、本作では、舞台をケニア沖の孤島から沖縄の離島へと移し、沖縄特有の基地問題もさりげなく反映している。また震災後の日本の不穏な空気や、自然に対する畏敬と恐れ、怒りや不条理など、さまざまな感情を盛り込んでいる。ストーリーはどこか寓話のようで、主人公の学者の心象風景は、貝の美しい螺旋や、女流画家が描く抽象的な絵、また水中撮影でとらえられた海の映像で表現。雄大な自然と小さな人間との対比、蔓延する奇病やそれを治す不思議な貝、学者と画家とのエロスなども、すべては映像で語る趣向だ。説明はほとんどない。だからこそ、学者が盲目という設定が効いてくる。目で見るのではなく、触って感じて物事を見極める、体感する作品ということだ。決してわかりやすくはないが、時にはこんな映画で感性をきたえてみるのもいいだろう。久しぶりの単独主演となるリリー・フランキーは、イラストレーター、作家、ミュージシャンなど、俳優以外にも多くの顔を持つ才人。いい意味でのボーダーレスな雰囲気を醸し出していた。
【60点】
(原題「シェル・コレクター」)
(日本/坪田義史監督/リリー・フランキー、池松壮亮、橋本愛、他)

