source: KUBRICK.blog.jp|スタンリー・キューブリック
『レディ・プレイヤー1』公開時の予告編。
『レディ・プレイヤー1』と『シャイニング』の比較動画。ネタバレ注意!!
2018年4月に公開され、「俺はガンダムで行く!」で話題になったスティーブン・スピルバーグ監督作品『レディ・プレイヤー1』が、2020年7月3日の夜9時から11時24分まで、日テレ系「金曜ロードSHOW!」にて地上波初オンエアされます。おそらくOAの時間帯はTwitter上の話題を独占しそうですが、この作品にはストーリーの重要な「鍵」として、キューブリックの『シャイニング』が登場します。
実はこの「鍵」、原作では『ブレードランナー』だったのですが、諸事情により映画では『シャイニング』に変更になりました(その経緯はこちら)。おそらく多くのキューブリックファンが「初見時は気に入らず、それをキューブリックに見破られて困った」(後に「お気に入りになった」とコメントしている)と語っていたスピルバーグが『シャイニング』を採用したことに驚いたと思いますが、この後に『シャイニング』の続編小説『ドクター・スリープ』の映画化が控えていたことを考えると、商魂たくましいワーナーさんの、一種の「プロモーション戦略」ではなかったかと思います。
でもまあ、今作や『ドクター・スリープ』が話題になり、昨今のキューブリック・リバイバルに繋がっているとも言えるので、それを云々するのは浅慮というもの。オールドファンはそんな無粋なことは脇に置いておいて、このリバイバルを大いに楽しむべきだと思っています。また、今作やGUのTシャツなどで『シャイニング』やキューブリックを知った、という新しいファンは、他のキューブリック作品を是非とも制覇して欲しい(そんなに作品数ないですし。汗)。キューブリックの諸作品は、日本のアニメ、マンガ、ゲーム、映画、音楽、CMなど多くのカルチャーやサブカルに多大な影響を与えています(それはこのカテにまとめております)。そのため、キューブリック作品を知っていると知っていないとでは、現在のありとあらゆる分野のクリエーターが発表する作品の「楽しみ方」が違ってきてしまいます。誤解を恐れず言えば、キューブリック作品は「カルチャーやサブカルの基礎教養レベル」と断言できるでしょう。
キューブリックが逝去し、もう20年以上が経過しました。2000年代から2010年代前半まで、キューブリックは「過去の映画監督」とされ、若い世代にその影響力が伝承されていませんでした。昨今のキューブリック・リバイバルはファンとしても感涙ものの「椿事」(いや、20年後にこんなことになるなんて想像だにしていませんでしたよ)です。願わくば、その影響力が確実にさらなる未来に伝承されていって欲しいと願っています。