2015年3月18日水曜日

博士と彼女のセオリー

source: 映画通信シネマッシモ☆映画ライター渡まち子の映画評








理論物理学者スティーブン・ホーキング博士と妻ジェーンの半生を描いた「博士と彼女のセオリー」。あざとさや感動の押し売りはいっさいない特異なラブストーリー。



天才物理学者として将来を嘱望されるスティーヴン・ホーキングは、ケンブリッジ大学で詩を学ぶ美しいジェーンと出会い恋に落ちる。だが直後、ホーキングは、難病ALS(筋萎縮性側索硬化症)を発症、余命2年の宣告を受けてしまう。ジェーンは彼と一緒に病気と闘う道を選択することを決意し、結婚。2人は愛の力で困難に共闘するが、ホーキングの症状は悪化し、さらなる試練がふりかかる…。



理論物理学や宇宙の法則などで独自の理論を打ち立てた、車椅子の天才科学者スティーヴン・ホーキングと彼を支えた妻ジェーンの物語だが、これは単なる夫婦の美談物語ではない。映画は、見ているこちらが気恥ずかしくなるようなキラキラした青春ラブロマンス風に始まる。やがてホーキングがALSを発病しジェーンが彼を支える構図になるが、結婚し出産し、余命2年が予想外に“永遠”となることから、夫婦の関係性は少しずつ変化し始める。満足に動かない身体に苦悩するホーキングと介護に疲れはてるジェーンが見出した解決策は、夫婦の間に別の人間(異分子)を入れるという驚きの法則だ。博士の介護を手助けするジョナサンに惹かれるジェーン。そのことを黙認するホーキングの複雑な心境。さらにホーキングの助手で看護師の女性の登場でジェーンの立場が曖昧になる。天才の偉業は星や炎や悠久の時間などでどこかファンタジックに描写されるのに、夫婦の三角関係とも四角関係ともとれる愛情は、妙に生々しいのだ。世界中から尊敬される存命の人物に、よくここまで赤裸々に迫ったものだと映画の作り手に感心してしまう。さらに本作でオスカーを射止めたエディ・レッドメインの迫真の演技にも脱帽だ。終盤は身体の自由だけでなく言葉まで奪われるが、表情のわずかな動きだけで崇高な“天才”と、悩める“男性”の両方を表現した演技力が素晴らしかった。

【80点】

(原題「THE THEORY OF EVERYTHING」)

(イギリス/ジェームズ・マーシュ監督/エディ・レッドメイン、フェリシティ・ジョーンズ、チャーリー・コックス、他)

(共闘度:★★★★☆)

チケットぴあ



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