source: 映画通信シネマッシモ☆映画ライター渡まち子の映画評
(ショートバージョン)
1966年、NY。天才的なギターの才能を持ちながら、しがないバンドで演奏するジェームズは、ナイトクラブで人気モデルのリンダ・キース(キース・リチャーズの恋人)と知り合う。彼女から唯一無二の才能と認められたジェームズは、ジ・アニマルズのベーシストで音楽プロデューサーのチャス・チャンドラーを紹介してもらい、名前をジミに変えて、スターへの道を歩みだす…。
1966年、NY。天才的なギターの才能を持ちながら、しがないバンドで演奏するジェームズは、ナイトクラブで人気モデルのリンダ・キース(キース・リチャーズの恋人)と知り合う。彼女から唯一無二の才能と認められたジェームズは、ジ・アニマルズのベーシストで音楽プロデューサーのチャス・チャンドラーを紹介してもらい、名前をジミに変えて、スターへの道を歩みだす…。
不世出のギタリスト、ジミ・ヘンドリックスの知られざる素顔を描く伝記ドラマ「JIMI:栄光への軌跡」は、彼がブレイクする直前の2年間のみを描くという、ユニークなエピソード0(ゼロ)だ。ジミことジェームズ・マーシャル・ヘンドリックスは、個性的なファッションやギターを歯や背中で弾いたり、楽器を破壊したりと、数々の奇抜なパフォーマンスで有名なのだが、映画はあえて彼の斬新なギターサウンドや卓越した演奏技術といった音楽面にはスポットを当てていない(オリジナル音源の権利の問題も関係する)。その代り、ロック史に名を刻むギターの神様が、いかなる人間だったのか、またどうやって才能を開花させたのかを紐解いていく。そういう作りなので少々地味な印象なのだが、若きジミが、音楽はもちろん、人生、女性、生き方そのものについて悩む等身大の若者として描かれ、親近感が沸いた。ジミを演じるアンドレ・ベンジャミンのなりきり演技がお見事。
【65点】
(原題「All IS BY MY SIDE」)
(英/ジョン・リドリー監督/アンドレ・ベンジャミン、ヘイリー・アトウェル、イモージェン・プーツ、他)