source: 映画通信シネマッシモ☆映画ライター渡まち子の映画評
「天才バカボン」と「フランダースの犬」がコラボした長編劇場版アニメ「天才バカヴォン 蘇るフランダースの犬」。憎しみと馬鹿が戦うとこうなるのだ!
明るいバカボン、自由人のパパ、優しいママ、天才赤ちゃんのハジメちゃんのバカボン一家は、東京の片隅で楽しく暮らしている。そんな一家に悪の秘密結社・インテリペリが接近。世界征服のためのデータを完成させるにはバカボンのパパの本名が必要だが、結社が送り込んだスパイたちは、パパに翻弄されるばかりで一向に本名を聞きだせない。インテリペリの総帥・ダンテは、バカボン一家のもとに、地獄に落ちた「フランダースの犬」の主人公ネロとパトラッシュを送り込むが…。
本作は、シュールな笑いで人気の「天才バカボン」初の長編劇場版アニメーション。ギャグ漫画家・赤塚不二夫の生誕80周年記念と没後7回忌を追悼する作品である。記念すべき本作に参戦するのは、悲しすぎる名作として有名な「フランダースの犬」のネロとパトラッシュだ。自分たちを死に追いやった人間たちに強い恨みを抱き、天国に召される前に天使たちの手を振り払って、地獄へと落ちたという設定が妙にリアルである。お話はシュールにしてバカバカしいのだが、憎しみと邪悪に立ち向かうには、太陽を西から登らせようと本気で奮闘する徹底した非常識しかないのだ。作画を手がけるのは「秘密結社 鷹の爪」シリーズを手掛けるFROGMAN。のっぺりとしたフラッシュアニメは、CGや3Dアニメ全盛の昨今では、まるで紙芝居を見ているようで、逆に新鮮だ。バカボンのパパのナンセンスギャグには、このアナログ感覚がピッタリくる。悪の限りを尽くすネロとパトラッシュを懸命に説得するのは、人を疑うことを知らないバカボン。さらに未曾有の戦いを勝利に導くのは、バカボンのパパの宇宙的規模のバカっぷり。パパの本名の秘密とその顛末もまた人をくっている。つまりこの映画は、ナンセンスでアナーキーなギャグを得意とした赤塚不二夫への最大限の敬意の表れ。これでいいのだ!
明るいバカボン、自由人のパパ、優しいママ、天才赤ちゃんのハジメちゃんのバカボン一家は、東京の片隅で楽しく暮らしている。そんな一家に悪の秘密結社・インテリペリが接近。世界征服のためのデータを完成させるにはバカボンのパパの本名が必要だが、結社が送り込んだスパイたちは、パパに翻弄されるばかりで一向に本名を聞きだせない。インテリペリの総帥・ダンテは、バカボン一家のもとに、地獄に落ちた「フランダースの犬」の主人公ネロとパトラッシュを送り込むが…。
本作は、シュールな笑いで人気の「天才バカボン」初の長編劇場版アニメーション。ギャグ漫画家・赤塚不二夫の生誕80周年記念と没後7回忌を追悼する作品である。記念すべき本作に参戦するのは、悲しすぎる名作として有名な「フランダースの犬」のネロとパトラッシュだ。自分たちを死に追いやった人間たちに強い恨みを抱き、天国に召される前に天使たちの手を振り払って、地獄へと落ちたという設定が妙にリアルである。お話はシュールにしてバカバカしいのだが、憎しみと邪悪に立ち向かうには、太陽を西から登らせようと本気で奮闘する徹底した非常識しかないのだ。作画を手がけるのは「秘密結社 鷹の爪」シリーズを手掛けるFROGMAN。のっぺりとしたフラッシュアニメは、CGや3Dアニメ全盛の昨今では、まるで紙芝居を見ているようで、逆に新鮮だ。バカボンのパパのナンセンスギャグには、このアナログ感覚がピッタリくる。悪の限りを尽くすネロとパトラッシュを懸命に説得するのは、人を疑うことを知らないバカボン。さらに未曾有の戦いを勝利に導くのは、バカボンのパパの宇宙的規模のバカっぷり。パパの本名の秘密とその顛末もまた人をくっている。つまりこの映画は、ナンセンスでアナーキーなギャグを得意とした赤塚不二夫への最大限の敬意の表れ。これでいいのだ!
【50点】
(原題「天才バカヴォン 蘇るフランダースの犬」)
(日本/FROGMAN監督/(声)FROGMAN、瀧本美織、濱田岳、他)