source: 映画通信シネマッシモ☆映画ライター渡まち子の映画評
息子の命を守るためNY中を敵に回して戦う殺し屋を描くクライム・アクション「ラン・オールナイト」。息子を犯罪者にするものか!との決意に戦う父の意地を見た。
NYの闇社会で生きる凄腕の殺し屋ジミーは、年齢を重ねこれまでの罪を深く悔いていた。仕事のせいで家族とも疎遠になり酒浸りの日々を送っていたジミーだったが、息子のマイクを守るため、マフィアのボスの息子を殺してしまう。ボスのショーンはジミーとは親友だが、息子を殺されジミーへの復讐を宣言。マフィア、買収された警察、送り込まれた凄腕の暗殺者…。ジミー父子はNY中から命を狙われる身となるが…。
出ましたっ!戦うお父さん、リーアム・ニーソン!「96時間」シリーズと激しくカブる設定ながら、本作の主人公のジミーは、守る息子との仲はギクシャクしている上、戦う相手は30年来の親友なのだから、ちょっとややこしい。さらに長年ジミーを追う警官はひそかにジミーに敬意を払っていて、マフィアから逃げる彼を擁護する側にいる。超人的な腕で躊躇なく敵をなぎたおす「96時間」とは違い、本作は、男同士のハードボイルド・ドラマという趣向なのだ。とはいえ、くよくよする場面はほとんどなく、一気にアクション全開となるのが、やはりハリウッド。一夜の出来事という限られた時間ゆえに、ハイ・スピードのテンポで駆け抜ける。しかし心理描写が薄味だからこそ役者の魅力が際立ったともいえる。アクションと演技力を兼ね備えたリーソンと、名優エド・ハリスのやりとりは、セリフは少ないが表情だけで、互いを信頼し合いながらも逃れられない運命によって殺し合わねばならないやるせなさを感じさせ、どこか任侠映画のテイストを感じさせた。ニーソンと組むのは3度目となるジャウマ・コレット=セラ監督は彼の活かし方をよく知っている。脇役まで渋い俳優を揃え、何気に豪華キャストなのも要チェックだ。
NYの闇社会で生きる凄腕の殺し屋ジミーは、年齢を重ねこれまでの罪を深く悔いていた。仕事のせいで家族とも疎遠になり酒浸りの日々を送っていたジミーだったが、息子のマイクを守るため、マフィアのボスの息子を殺してしまう。ボスのショーンはジミーとは親友だが、息子を殺されジミーへの復讐を宣言。マフィア、買収された警察、送り込まれた凄腕の暗殺者…。ジミー父子はNY中から命を狙われる身となるが…。
出ましたっ!戦うお父さん、リーアム・ニーソン!「96時間」シリーズと激しくカブる設定ながら、本作の主人公のジミーは、守る息子との仲はギクシャクしている上、戦う相手は30年来の親友なのだから、ちょっとややこしい。さらに長年ジミーを追う警官はひそかにジミーに敬意を払っていて、マフィアから逃げる彼を擁護する側にいる。超人的な腕で躊躇なく敵をなぎたおす「96時間」とは違い、本作は、男同士のハードボイルド・ドラマという趣向なのだ。とはいえ、くよくよする場面はほとんどなく、一気にアクション全開となるのが、やはりハリウッド。一夜の出来事という限られた時間ゆえに、ハイ・スピードのテンポで駆け抜ける。しかし心理描写が薄味だからこそ役者の魅力が際立ったともいえる。アクションと演技力を兼ね備えたリーソンと、名優エド・ハリスのやりとりは、セリフは少ないが表情だけで、互いを信頼し合いながらも逃れられない運命によって殺し合わねばならないやるせなさを感じさせ、どこか任侠映画のテイストを感じさせた。ニーソンと組むのは3度目となるジャウマ・コレット=セラ監督は彼の活かし方をよく知っている。脇役まで渋い俳優を揃え、何気に豪華キャストなのも要チェックだ。
【65点】
(原題「RUN ALL NIGHT」)
(アメリカ/ジャウマ・コレット=セラ監督/リーアム・ニーソン、ジョエル・キナマン、ヴィンセント・ドノフリオ、他)