source: 映画通信シネマッシモ☆映画ライター渡まち子の映画評
メイズ・ランナー [Blu-ray] [Blu-ray]
謎の巨大迷路から脱出を試みる若者たちのサバイバルを描く「メイズ・ランナー」。3部作のシリーズ第1章で、いわば序章。謎はまだまだ続くのだ!
16歳の少年トーマスは、ある日、巨大な壁で囲まれた孤立した世界へと放り込まれる。そこでは名前以外の記憶を失った若者たちがいてコミュニティーを形成していた。彼らの中で俊足の“ランナー”たちは毎晩夜になると扉が開く巨大な迷路に入って迷路の構造を探り、扉が閉じる朝までに戻ってくる。トーマスは迷路の謎を解き明かすため、命がけの脱出を試みるが…。
16歳の少年トーマスは、ある日、巨大な壁で囲まれた孤立した世界へと放り込まれる。そこでは名前以外の記憶を失った若者たちがいてコミュニティーを形成していた。彼らの中で俊足の“ランナー”たちは毎晩夜になると扉が開く巨大な迷路に入って迷路の構造を探り、扉が閉じる朝までに戻ってくる。トーマスは迷路の謎を解き明かすため、命がけの脱出を試みるが…。
原作はジェームズ・ダシュナーによるヤングアダルト小説。少年たちのサバイバルを描く点で「蠅の王」とも比較されるほどの話題作だが、本作は、最近流行のティーン向けアドベンチャーものの変種といえる。異様な世界の中で生きる若者が現状を打破しようと戦うのは「ハンガー・ゲーム」や「ダイバージェント」によく似ている。だが巨大な迷路(メイズ)があるそのコミュニティーでは、ある種の秩序が生まれていて、脱出して元の世界へ戻ることを望むものと、その場所に留まって“平和”に暮らしたいと望むものがいるのだ。いわゆる二項対立である。だが映画のテーマはもちろんそれだけではない。そもそも誰が何のためにこんな場所を作ったのか。また少年たち(少女も一人いる)をその世界へと送った理由は。そしてそれらすべての裏にある陰謀とは…。男の子たちの青春映画のような楽しさを時折のぞかせる演出だが、主人公のトーマスが迷路からの脱出計画を実行に移したその先の驚きと、最後の最後に登場する大人たちの謎の言動で、次作へと興味をつなぐ仕掛けだ。物語はまだ3分の1を見ただけだし、今後の展開に期待はできるものの、まだ評価の段階ではない。ただ本作に登場する若手スターたちは、多くが次回作にハリウッド超大作への出演が控えていることから、次世代のスター発見の楽しみの予感は、間違いなくある。ごひいきをみつけておくのも悪くない
【65点】
(原題「THE MAZE RUNNER」)
(アメリカ/ウェス・ボール監督/ディラン・オブライエン、カヤ・スコデラーリオ、アムル・アミーン、他)