2015年5月17日日曜日

Zアイランド

source: 映画通信シネマッシモ☆映画ライター渡まち子の映画評




孤島を舞台にヤクザたちが謎の感染者と戦う和製ゾンビ映画「Zアイランド」。群像劇、クロスオーバーのジャンルものとしてよくまとまっている。

対立するヤクザ・竹下組との抗争に敗れた宗形組。元組長の宗形は今ではしがない運送業者で、服役中の弟分・武史の娘・日向の面倒をみながら暮らしていた。武史がようやく出所するが日向は前科者の父に会いたくないと家出する。宗形たちは、家族の思い出の地である銭荷島に向かった日向を追うが、そこでは謎の感染により島民がゾンビ化しパニック状態だった。時を同じくして島には竹下組の組員も乗り込み、ヤクザとゾンビの壮絶な戦いが始まった…。

お笑い芸人の品川ヒロシは、監督としてなかなかの腕前だが、本作ではついにゾンビ映画にチャレンジした。アクションの面白さとゾンビ映画特有のグロテスクなB級テイストをミックスし、その上、Vシネの帝王の哀川翔の芸能生活30周年作品なのだがから、何ともにぎやかである。さぞごちゃまぜ映画になるかと思いきや、意外なほどまとまっていて、テンポがいい。負け組の主人公が非常事態に遭遇し、意地をみせるという展開はセオリー通りだが、個性的な登場人物が次から次へと登場し、飽きさせない。特にゾンビおたくの女好き医者のうんちくには笑った。残念なのは、物語の準主役ともいえる武史一家(特に娘の日向)の顛末があまりに気の毒なこと。泣けるエピソードではあるが、ここはサバイバルの底力がほしかった。日向役の山本舞香ちゃん、可愛らしいルックスとは裏腹にキレキレのアクションを披露するので驚いたが、何でも彼女、空手の黒帯なのだそう。元E-girlsの水野絵梨奈ちゃんもダンス仕込みの動きで楽しませてくれたし、これは案外、美少女アクションものとしても評価できる作品かもしれない。ちょっとクドすぎるギャグの掛け合いがなかったらもっと良かったが、まぁ、これがお笑い芸人の性(さが)なのだろう。
【65点】
(原題「Zアイランド」)
(日本/品川ヒロシ監督/哀川翔、鈴木砂羽、木村祐一、他)
(アクション度:★★★★☆)
チケットぴあ

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