2015年8月3日月曜日

ラブ&マーシー 終わらないメロディー

source: 映画通信シネマッシモ☆映画ライター渡まち子の映画評




ザ・ビーチ・ボーイズのリーダー、ブライアン・ウィルソンの半生を描く伝記ドラマ「ラブ&マーシー 終わらないメロディー」。ダノとキューザックが同一人物?!とちょっと心配。

1960年代のカリフォルニア。人気絶頂のザ・ビーチ・ボーイズのリーダー、ブライアン・ウィルソンは、新たなサウンドを求めて、スタジオにこもり曲作りに専念する。だが新作へのプレッシャーや父との確執で、精神的に追いつめられ、心を病んでしまう。1980年代。ブライアンは、精神科医ユージンに生活や財産をすべて管理され自由を失っていたが、聡明で美しい女性メリンダと出会い、再び希望の光を見出す…。

サーフロックというジャンルを確立したザ・ビーチ・ボーイズの音楽は、時代を超えて愛され続けている。その偉大なバンドの中心メンバーのブライアン・ウィルソンがこんなにも壮絶な人生を送っていたことを、私はこの映画で始めて知った。物語は1960年代と1980年代を行き来しながら、ブライアンの苦悩や名曲の誕生秘話を紐解いていく。映画を見る前は、ジョン・キューザックとポール・ダノがあまりに似てないので心配したが、映画が進むにつれ、ビジュアルは気にならなくなる。2人の俳優は、共に心を病んでいる状態を熱演していて、演技でしっかりと納得させてくれるからだ。キューザックは音楽ツウ、ダノは自身もバンドを組んでいるので、音楽との相性も問題ないだろう。ブライアンをコントロールし搾取する精神科医の背景が見えてこないのが疑問だが、大きな確執があった実父との関係性が屈折した形でブライアンの心を追いつめていったのは明白だ。後に結婚するメリンダは結果としてブライアンを救い、彼に本当の人生を与える役目。伝記映画としては局所的だし、ブライアンのファンには納得できない描写もあるのだろう。だがメリンダによって救われ、どん底の暗闇から再び光あふれる人生を取り戻したブライアンの愛と慈悲(ラブ&マーシー)の人生にこそ感動を覚える。
【60点】
(原題「LOVE & MERCY」)
(アメリカ/ビル・ポーラッド監督/ジョン・キューザック、ポール・ダノ、エリザベス・バンクス、他)
(苦悩度:★★★★☆) 
チケットぴあ

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