source: KUBRICK.blog.jp|スタンリー・キューブリック
SpaceXは10日、開発中の次世代有人宇宙船「Crew Dragon」の内部インテリアの模様を収めたビデオを公開した。
その内部は白と黒のモノトーンと、タッチパネル方式のディスプレイを採用することでボタン類を極力排したそのインテリアデザインは、これまでの有人宇宙船のコックピットとはスタンリー・キューブリック監督によるSF映画「2001年宇宙の旅」に登場する宇宙船のような極めて未来チックな印象を与えるものとなっている。
(以下リンク先へ:businessnewsline/2015年9月11日)
今世紀に入り、商業宇宙旅行の話題が幾度となくマスコミを賑わせていますが、15年経った現在でも実用化されていないのは周知の通り。しかしここにきてやっといくつかの具体的な成果が、目に見える形で発表されるようになってきたようです。
キューブリックが『2001年…』でフラットモニタを採用したのは当時まだビデオが一般的でなく、モニタに映像を映すにはスクリーン投影がコスト的にも技術的にも一番適していたからです。1970年代後半になってくるとビデオが撮影現場でも普及し、『エイリアン』を始めとするSF映画の宇宙船はブラウン管だらけになりました。そうなるとブラウン管の走査線がなんとなく未来っぽいというので、こぞってビジュアル効果に採用される事に。ところがその後液晶画面が普及し、フラットパネルが当たり前になると、ブラウン管モニタがとたんに古臭く感じられるようになり、『2001年…』のフラットモニタが未来っぽい、古さを感じさせないと評価されるという状態になってしまいました。
もちろんキューブリックはそこまで予見してスクリーン投影を採用したわけではないですが、結果的にこうなったのはキューブリックの異常なまでのビジュアルへの「こだわり」があったからこそ。キューブリックは存命中、2001年を迎えるにあたって『2001年…』で描いた未来には程遠い現実を指摘されると、「NASAがサボっているからだ」と怒ったそうですが、そのキューブリックの描いた未来が、やっとすぐそこまで来ているのを、この動画で感じる事ができますね。