source: 映画通信シネマッシモ☆映画ライター渡まち子の映画評
ボンドは、少年時代を過ごしたスカイフォール邸で焼け残った写真を受け取り、写真に隠された謎を解こうと動きだす。メキシコで犯罪者を仕留めた後、上司のMの制止を振り切ってローマへ向かい、美しい未亡人ルチアから世界規模の犯罪組織スペクターの存在を知らされる。一方、ロンドンでは、国家安全保障局の新しいトップのマックスが、MI6の存在意義を問い始めていた。ボンドは、かつての旧敵、Mr.ホワイトの娘マドレーヌを追いながら、敵の核心へと迫っていくが、そこには自分自身との恐るべき関係が隠されていた…。
ダニエル・クレイグが4度目のジェームズ・ボンドを演じる「007 スペクター」は、前作「スカイフォール」の続編のような内容で、完結編という趣だ。いよいよクレイグのボンドも見納めか?という思いがよぎるが、それはさておき。冒頭のメキシコでの祭を背景に繰り広げるド派手なアクションがあまりに素晴らしいので、その後の展開がなんとも地味に見えてしまうのは予想外。そもそも秀作「スカイフォール」からボンドの出自にかかわる内向的なドラマなのだから、シリアスで静かな路線はやむを得ないのかもしれない。後半はほとんどボンドと敵の個人的な話に見えてくる。悪の組織スペクターの存在は、過去に登場したキャラも関係し、どこか総集編のようなイメージだが、スペクターとMI6の存続の危機をリンクさせてつなげるドラマ構成はさすがだ。2人のボンドガールは、ベルッチは出番が短すぎるし、セドゥはちょっと華がない。そこでぐっと存在感を増したのがQ。ボンドとMの2人から「彼は優秀」と明言され、いつもはオフィスに引きこもっているQが今回は外に出て活躍するのだから注目してほしい。ボンドの人間性を描きながら、不死身のアクション、美女、スパイならではのガジェットに拷問にも屈しない精神性と、荒唐無稽路線もしっかりと。伝統と革新を打ち出したところに、イギリス・カラーを見た思いだ。
ダニエル・クレイグが4度目のジェームズ・ボンドを演じる「007 スペクター」は、前作「スカイフォール」の続編のような内容で、完結編という趣だ。いよいよクレイグのボンドも見納めか?という思いがよぎるが、それはさておき。冒頭のメキシコでの祭を背景に繰り広げるド派手なアクションがあまりに素晴らしいので、その後の展開がなんとも地味に見えてしまうのは予想外。そもそも秀作「スカイフォール」からボンドの出自にかかわる内向的なドラマなのだから、シリアスで静かな路線はやむを得ないのかもしれない。後半はほとんどボンドと敵の個人的な話に見えてくる。悪の組織スペクターの存在は、過去に登場したキャラも関係し、どこか総集編のようなイメージだが、スペクターとMI6の存続の危機をリンクさせてつなげるドラマ構成はさすがだ。2人のボンドガールは、ベルッチは出番が短すぎるし、セドゥはちょっと華がない。そこでぐっと存在感を増したのがQ。ボンドとMの2人から「彼は優秀」と明言され、いつもはオフィスに引きこもっているQが今回は外に出て活躍するのだから注目してほしい。ボンドの人間性を描きながら、不死身のアクション、美女、スパイならではのガジェットに拷問にも屈しない精神性と、荒唐無稽路線もしっかりと。伝統と革新を打ち出したところに、イギリス・カラーを見た思いだ。
【70点】
(原題「SPECTRE」)
(米・英/サム・メンデス監督/ダニエル・クレイグ、クリストフ・ヴァルツ、レイフ・ファインズ、他)
(パーソナル度:★★★★☆)
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