source: 映画通信シネマッシモ☆映画ライター渡まち子の映画評
1955年、マグナム・フォトに所属する野心的な若手カメラマン、デニス・ストックは、あるパーティーでジェームス・ディーンという無名の俳優と出会う。彼がスターになることを確信したストックは、LIFE誌に掲載するための密着撮影を持ち掛ける。とらえどころのないディーンを追って、LA、NY、ディーンの故郷インディアナまでともに旅をするストック。最初はぎこちなかった二人は、次第に互いの才能に刺激され、心を開いていく…。
偉大な映画スター、ジェームズ・ディーンと天才写真家デニス・ストックとの出会いを描く青春ドラマ「ディーン、君がいた瞬間(とき)」。わずか3本の主演作で、伝説になったディーンは、本作では華やかなハリウッドに身を置いてはいるが、恋人との私生活もままならない、無名の新人だ。一方、後にやはり天才写真家と呼ばれるデニス・ストックもまた、この頃は、もっと世界をアッと言わせる写真を撮らねばならないと焦る新人で、離れて暮らす幼い息子とどう向き合っていいかわからない不器用な若い父親である。映画は、この二つの才能が出会い、やがて二人の運命を変えることになる、雨のタイムズスクエア前の歴史的写真が生まれるまでを、描いていく。ディーンといえば、反逆の青春、傷つきやすいヒーローといったイメージだが、故郷でみせるやわらかい表情などはとても新鮮。鋭い目つきは似ているが、決して顔だちは似ていないデイン・デハーンが、思いがけず好演する。監督のアントン・コービンは自身も有名写真家というだけあって、写真撮影の演出がとてもリアルだ。特に、苦悩するディーンにカメラを向けシャッターを切る行為は、ある意味、非情ともいえる。だが私たちは、ディーンがわずか24歳でこの世を去ってしまうことを知っているのだ。シャッターの音は、ディーンという伝説を永遠に忘れないという儀式に思えた。本作を見終わったら、ぜひディーンの主演作に触れてほしい。
偉大な映画スター、ジェームズ・ディーンと天才写真家デニス・ストックとの出会いを描く青春ドラマ「ディーン、君がいた瞬間(とき)」。わずか3本の主演作で、伝説になったディーンは、本作では華やかなハリウッドに身を置いてはいるが、恋人との私生活もままならない、無名の新人だ。一方、後にやはり天才写真家と呼ばれるデニス・ストックもまた、この頃は、もっと世界をアッと言わせる写真を撮らねばならないと焦る新人で、離れて暮らす幼い息子とどう向き合っていいかわからない不器用な若い父親である。映画は、この二つの才能が出会い、やがて二人の運命を変えることになる、雨のタイムズスクエア前の歴史的写真が生まれるまでを、描いていく。ディーンといえば、反逆の青春、傷つきやすいヒーローといったイメージだが、故郷でみせるやわらかい表情などはとても新鮮。鋭い目つきは似ているが、決して顔だちは似ていないデイン・デハーンが、思いがけず好演する。監督のアントン・コービンは自身も有名写真家というだけあって、写真撮影の演出がとてもリアルだ。特に、苦悩するディーンにカメラを向けシャッターを切る行為は、ある意味、非情ともいえる。だが私たちは、ディーンがわずか24歳でこの世を去ってしまうことを知っているのだ。シャッターの音は、ディーンという伝説を永遠に忘れないという儀式に思えた。本作を見終わったら、ぜひディーンの主演作に触れてほしい。
【60点】
(原題「LIFE」)
(カナダ・独・豪/アントン・コービン監督/デイン・デハーン、ロバート・パティンソン、ジョエル・エドガートン、他)
・ディーン、君がいた瞬間(とき)@ぴあ映画生活