source: 映画通信シネマッシモ☆映画ライター渡まち子の映画評
長野県に住む高校2年生の菜穂は、ある日、不思議な手紙を受け取る。差出人は10年後の自分。そこには、26歳の時の後悔、転校生の翔(かける)を好きになること、彼が1年後に死んでしまうこと、自分が取るべき行動などが書かれていた。最初はイタズラかと思ったが、手紙に書いてあることが現実に起こり始め、菜穂は手紙を信じ、後悔しないため、翔を失わないために行動を起こすのだが…。
高野苺の人気コミックを映画化したファンタジーテイストの青春ラブストーリー「orange オレンジ」は、ヒロインが、愛と友情の力で未来を変えてみせる!と奮闘するお話だ。もう、ツッコミどころが多すぎて、どこから手をつけていいのか分からないが、いわゆるパラレルワールドものなのだから、矛盾して当然との考え方もアリだろう。いい人ばかりの美しい友情は、体育祭のリレーの場面に凝縮されていて、見ているこちらが気恥ずかしくなるほど。だが、菜穂を思う同級生の須和(これがありえないほどイイやつだ)の心情がバッサリと切り落とされているのは、理解できない。菜穂と翔が結ばれるように動く未来の須和は、自分の人生を否定することになるのだから、そこには矛盾や葛藤があってしかるべきなのに…。菜穂と翔を演じるのは朝ドラでも共演した若手俳優2人。しかし、土屋太鳳ちゃんは、見た目は可愛いが、どうしてこんなに演技が拙いのか。本作で演じる、奥手で引っ込み思案というキャラクターが彼女にあっていないのかもしれないが、このヒロインに感情移入できない状態での2時間20分は、実につらかった。素晴らしいのは、オール長野ロケで撮影された映像。柔らかな光がファンタジックな物語にフィットしている。
高野苺の人気コミックを映画化したファンタジーテイストの青春ラブストーリー「orange オレンジ」は、ヒロインが、愛と友情の力で未来を変えてみせる!と奮闘するお話だ。もう、ツッコミどころが多すぎて、どこから手をつけていいのか分からないが、いわゆるパラレルワールドものなのだから、矛盾して当然との考え方もアリだろう。いい人ばかりの美しい友情は、体育祭のリレーの場面に凝縮されていて、見ているこちらが気恥ずかしくなるほど。だが、菜穂を思う同級生の須和(これがありえないほどイイやつだ)の心情がバッサリと切り落とされているのは、理解できない。菜穂と翔が結ばれるように動く未来の須和は、自分の人生を否定することになるのだから、そこには矛盾や葛藤があってしかるべきなのに…。菜穂と翔を演じるのは朝ドラでも共演した若手俳優2人。しかし、土屋太鳳ちゃんは、見た目は可愛いが、どうしてこんなに演技が拙いのか。本作で演じる、奥手で引っ込み思案というキャラクターが彼女にあっていないのかもしれないが、このヒロインに感情移入できない状態での2時間20分は、実につらかった。素晴らしいのは、オール長野ロケで撮影された映像。柔らかな光がファンタジックな物語にフィットしている。
【40点】
(原題「orange オレンジ」)
(日本/橋本光二郎監督/土屋太鳳、山崎賢人、竜星涼、他)