2015年12月6日日曜日

【関連作品】タイム・アフター・タイム(Time After Time)

source: KUBRICK.blog.jp|スタンリー・キューブリック



タイム・アフター・タイム [DVD]


 時々ネットではマルコム・マクドウェルの事を「『時計…』以降役に恵まれず」とか「アレックスのイメージが強すぎて一発屋に終わり」という記述を見かけますがとんでもない話で、全く持って無知もいところです。70年代後半~80年代前半は彼の全盛期で『カリギュラ』、『キャット・ピープル』、『ブルー・サンダー』など話題作に主役、準主役級で立て続けに出演し、この『タイム・アフター・タイム』(1979)ではタイムマシンの生みの親である真面目な科学者、H・G・ウェルズを好演しています。個人的にはアレックスよりこのウェルズ役の方が印象強く(『時計…』を初めて観たのは1985年頃)、あの無軌道な暴れっぷりとのギャップに驚いたくらいです。

 その『タイム…』ですが、実は80年代に全盛を誇る「タイムトラベル(スリップ)」ものの嚆矢と呼ぶべき作品で、多大な影響を与えています。『バック・トゥ・ザ・フューチャー』シリーズや『ターミネーター』シリーズなどはその影響が顕著で、恋人役で共演したメアリー・スティーンバージェンとマルコムは結婚に至っています(後に離婚)。そのメアリーは『バック…』のPART3でドクを追いかけてタイムトラベルする恋人役を好演しています。

 その後もマルコムは映画を中心にTV、舞台などでコンスタントに活躍しています。確かにアレックス役が強烈すぎたせいかヒール役が多いのは事実ですが、当時も今もイギリスを代表する俳優の一人です。無知をいいことに一発屋呼ばわりするのはくれぐれも慎んでほしいものです。