2016年3月11日金曜日

アイリス・アプフェル!94歳のニューヨーカー

source: 映画通信シネマッシモ☆映画ライター渡まち子の映画評




1950年代からインテリア・デザイナーとして活躍し、94歳になった今もNYのカルチャーシーンでその名をとどろかすファッションアイコン、アイリス・アプフェル。2005年にメトロポリタン美術館で開催された彼女の膨大な服飾コレションの展覧会は驚異的な動員数を記録し、ファッション誌など様々な出版物で特集された。そんなアイリスの成功の秘訣に迫るため、彼女の精力的な仕事ぶりや、彼女を知るデザイナーやアーティストらのインタビューを交えて、アイリスのファッションやアートへの情熱、さらには人生哲学を映しだしていく…。

ニューヨークを拠点にする94歳の女性実業家でファッションアイコンのアイリス・アプフェルを追ったドキュメンタリー「アイリス・アプフェル!94歳のニューヨーカー」。大きな丸いメガネ、高級ブランドの服にヴィンテージの大ぶりのアクセサリーを合わせるスタイルは、一度見たら忘れられない。ニューヨークを舞台に、ファッションやアートを題材にしたドキュメンタリー映画「ビル・カニンガム&ニューヨーク」や「アドバンスト・スタイル そのファッションが、人生」にも登場し、強烈な印象を残していた。彼女は、現役最高齢のファッションアイコンにしてキャリアウーマンだが、そのバイタリティに圧倒される。彼女のファッションのモットーは「特にルールはない。あっても破るだけ」。これは、まだ女性が自由に発言したりビジネスに進出するのが難しかった時代からずっと続く、アイリスの生きる指針だ。ドキュメンタリー映画としてはやや平坦で、すでに多くの人々が知る事実ばかりで、あまり驚きはない。だが、裕福なセレブリティであることを差し引いても、高齢になっても枯れず、ますます攻めの姿勢を貫いている大先輩の姿に励まされた。決して目立たないが、実はアイリスの人生を支えている一番の理解者である夫のカールのさりげない優しさが良かった。
【50点】
(原題「IRIS」)
(アメリカ/アルバート・メイズルス監督/アイリス・バレル・アプフェル、カール・アプフェル、マーガレット・ラッセル、他)
(個性的度:★★★★☆)
チケットぴあ

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