source: 映画通信シネマッシモ☆映画ライター渡まち子の映画評
千早は小学生の頃、同級生の綿谷新と出会い、競技かるたの素晴らしさを知る。それ以来、同じく同級生の太一と共に、かるたに情熱を傾けてきた。やがて新は福井に転校し、3人はバラバラになるが、単独で競技かるたの腕を磨いていた千早は、高校で太一と再会。競技かるた部を作って、この世界に導いてくれた新と再び出会える日を願いながら全国大会を目指すのだが…。
末次由紀による大人気コミックを実写映画化した2部作の前編「ちはやふる 上の句」。競技かるたという、シブい世界を背景にした青春ストーリーだが、青春“スポ根もの”としてうまくまとまっている。主演を務める広瀬すずちゃんは、原作漫画のルックスとは少し違う気がするが、これはこれでアリだろう。黙っていれば美少女だが、中身は体育会系で、思い立ったらまわりが見えなくなるほど一本気な性格の女の子は、青春映画のひたむきなヒロインとしては、男女ともに好感度が高いはずだ。前編の“上の句”では、学校に競技かるた部を作るところから、東京代表になるまで、小学校時代仲間だった3人の思い出などが描かれるが、何しろ前編なので、中途半端さは否めない。その分、かるたの女王が登場する、後編の下の句への期待値を高めてくれるという仕掛けだ。太一が千早に恋しているのは明確だが、千早の新への思いは、夢や目標を教えてくれた感謝や競技かるたのチャンピオンである彼へのあこがれ、さらに幼馴染としての友情と、さまざまな思いが入り混じる。千早が愛や夢に向かって走り出すときこそ、百人一首の情熱的な歌のように、世界が鮮やかに色づきはじめるのだ。「海街diary」で演技開眼の広瀬すずの魅力を堪能したい。
末次由紀による大人気コミックを実写映画化した2部作の前編「ちはやふる 上の句」。競技かるたという、シブい世界を背景にした青春ストーリーだが、青春“スポ根もの”としてうまくまとまっている。主演を務める広瀬すずちゃんは、原作漫画のルックスとは少し違う気がするが、これはこれでアリだろう。黙っていれば美少女だが、中身は体育会系で、思い立ったらまわりが見えなくなるほど一本気な性格の女の子は、青春映画のひたむきなヒロインとしては、男女ともに好感度が高いはずだ。前編の“上の句”では、学校に競技かるた部を作るところから、東京代表になるまで、小学校時代仲間だった3人の思い出などが描かれるが、何しろ前編なので、中途半端さは否めない。その分、かるたの女王が登場する、後編の下の句への期待値を高めてくれるという仕掛けだ。太一が千早に恋しているのは明確だが、千早の新への思いは、夢や目標を教えてくれた感謝や競技かるたのチャンピオンである彼へのあこがれ、さらに幼馴染としての友情と、さまざまな思いが入り混じる。千早が愛や夢に向かって走り出すときこそ、百人一首の情熱的な歌のように、世界が鮮やかに色づきはじめるのだ。「海街diary」で演技開眼の広瀬すずの魅力を堪能したい。
【65点】
(原題「ちはやふる 上の句」)
(日本/小泉徳宏監督/広瀬すず、野村周平、真剣佑、他)
(ひたむき度:★★★★☆)