source: 映画通信シネマッシモ☆映画ライター渡まち子の映画評
売れない漫画家である藤沼悟は、生活のためにピザ屋でアルバイトをしている。彼は、何か悪い事件や事故が起こると、それを回避するまで時空移動(タイムリープ)するリバイバルという謎の現象に見舞われていた。リバイバルは、原因が取り除かれるまでその時間が繰り返される。ある日、悟の母が何者かに殺され、リバイバルが起こるが、悟はまだ小学生だった18年前に戻ってしまい、同級生が被害者となった連続誘拐殺人事件に向き合うことになる…。
主人公が時間移動し自らの過去と向き合いながら未解決事件の謎を追う「僕だけがいない街」。原作は、三部けいによる大人気ミステリー漫画だ。時間が巻き戻りループするリバイバルや、現在と過去を行き来する現象など、主人公は、きわめて特殊な現象に見舞われている。設定そのものはSFチックだが、過去のパートでは、虐待を受けていた同級生の少女を懸命に助けようと奮闘するなど、人間ドラマの趣が強い。物語はミステリーなので、謎解きは明かせないが、後半、特に、未解決事件の犯人がわかるあたりからの展開は、かなり雑で乱暴だ。長い原作を約2時間にまとめているのが原因だろうが、犯人の行動と動機は、納得しがたく、ストーリー的にも矛盾があって、消化不良のイメージが残ってしまう。これが原作ものの難しさだろう。過去に戻ってからは、悟はほとんど小学生の姿だが、演じる子役たちがとても健気で、彼らの熱演につい引きこまれた。タイトルの意味は、ラストに分かる仕掛けで、これはなかなか切ない。
主人公が時間移動し自らの過去と向き合いながら未解決事件の謎を追う「僕だけがいない街」。原作は、三部けいによる大人気ミステリー漫画だ。時間が巻き戻りループするリバイバルや、現在と過去を行き来する現象など、主人公は、きわめて特殊な現象に見舞われている。設定そのものはSFチックだが、過去のパートでは、虐待を受けていた同級生の少女を懸命に助けようと奮闘するなど、人間ドラマの趣が強い。物語はミステリーなので、謎解きは明かせないが、後半、特に、未解決事件の犯人がわかるあたりからの展開は、かなり雑で乱暴だ。長い原作を約2時間にまとめているのが原因だろうが、犯人の行動と動機は、納得しがたく、ストーリー的にも矛盾があって、消化不良のイメージが残ってしまう。これが原作ものの難しさだろう。過去に戻ってからは、悟はほとんど小学生の姿だが、演じる子役たちがとても健気で、彼らの熱演につい引きこまれた。タイトルの意味は、ラストに分かる仕掛けで、これはなかなか切ない。
【60点】
(原題「僕だけがいない街」)
(日本/平川雄一朗監督/藤原竜也、有村架純、石田ゆり子、他)