source: KUBRICK.blog.jp|スタンリー・キューブリック
引きの画から被写体に向かって拡大するのを「ズームイン」、その逆を「ズームアウト」とう。
キューブリックは好んでこの手法を用いていて、特に『博士…』以降の作品には必ずと言っていいほど登場する。動画は『シャイニング』での使用シーンだが、一種異様な緊張感を表現したい場合にはゆっくりとしたズームインやズームアウト、一瞬のインパクトを表現したい場合は素早いズームイン(『2001年…』のスペースポッドのHALの眼や『アイズ…』でビルの窮地を救う女性のシーンなど)を使用しているようだ。
この「ズーム」という機能、人間の眼には備わっていない機能なので「いかにもカメラで撮影しました」感が滲み出てしまい、現在主流の「観客がその場にいるかのような臨場感」を求めるハリウッド映画ではあまり見られなくなってしまった。逆にズームを多用するキューブリック作品は、映画を「当事者」としてではなく「観察者」として鑑賞させる効果をもたらす一因にもなっている。