source: 映画通信シネマッシモ☆映画ライター渡まち子の映画評
不死を求め、聖なる山(ホーリー・マウンテン)の頂上へと向かう男女9人の狂気の旅とその顛末を描くカルト・ムービー。
砂漠で磔にされている盗賊は、子どもたちに石を投げつけられた後、自力で十字架から降り立つ。居合わせた腕のない小人と共に町にやってきた盗賊は、石膏で作られたキリスト像を売る男たちに捕らえられ鏡の部屋に閉じ込められてしまう。やがてその部屋から脱出した盗賊は、高い塔にたどり着き、錬金術師と出会う。彼の錬金術の力を目の当たりにした盗賊は、その技を手に入れるため、 9人の男女と共に“聖なる山”を目指すことに。そこでは不死の賢者たちが住み、現世を支配しているという。山を襲い、賢者たちから不死の術を奪うため、道中、彼らは厳しい儀式を積んでいくが…。
カルト・ムービーといえば、アレハンドロ・ホドロフスキー監督と言っても過言ではないほど、世界中に熱狂的なファンを持つ。彼の代表作の「エル・トボ」もかなりカルトだが、どこか哀愁や抒情を感じさせる映画であるのに対し、本作「ホーリー・マウンテン」は、カルト度合では断然上をいく。全裸の男女(子ども含む)の登場はてんこもりだし、鮮血、暴力、エロティシズムと、グロテスクでシュールな描写が延々と続く。色彩もサイケデリックで強烈だ。この幻想的な映像を、近年ではHDリマスター版で鮮明に楽しめるようになったのは朗報だ。
不老不死の力を得るために、厳しい修行を積むというストーリーが一応あるものの、もはやこの圧倒的な映像の前に、物語は力を失っている。さらにラストのオチ(あえてこう呼ぶ)がスゴい。詳細は、映画を見て確かめてほしいが、完全に居直っているとしか言いようがないのだ。かつてフェリーニは、映画「そして船は行く」で、作りものである映画のセットそのものを映してみせたが、「ホーリー・マウンテン」の場合は、映画であることを強調することで、物語をひっくり返し、観客を煙にまいている。
ちなみに、このシュールな旅の仕掛け人である錬金術師を演じているのが、アレハンドロ・ホドロフスキー監督本人。本作の撮影中に、ホドロフスキーは「私は預言者なのかもしれない。いつの日か、孔子やマホメッド、釈迦やキリストが私の元を訪れることを想像することがある」と語ったそうだ。いったい本気なのか?!と言いたくなるが、なるほど、本作の登場人物と私たち観客は、この言葉通り、錬金術師(ホドロフスキー)によって、この世ならぬ場所へと導かれていくのだ。魂レベルで、恍惚感を味わえるカルト・ムービーである。
砂漠で磔にされている盗賊は、子どもたちに石を投げつけられた後、自力で十字架から降り立つ。居合わせた腕のない小人と共に町にやってきた盗賊は、石膏で作られたキリスト像を売る男たちに捕らえられ鏡の部屋に閉じ込められてしまう。やがてその部屋から脱出した盗賊は、高い塔にたどり着き、錬金術師と出会う。彼の錬金術の力を目の当たりにした盗賊は、その技を手に入れるため、 9人の男女と共に“聖なる山”を目指すことに。そこでは不死の賢者たちが住み、現世を支配しているという。山を襲い、賢者たちから不死の術を奪うため、道中、彼らは厳しい儀式を積んでいくが…。
カルト・ムービーといえば、アレハンドロ・ホドロフスキー監督と言っても過言ではないほど、世界中に熱狂的なファンを持つ。彼の代表作の「エル・トボ」もかなりカルトだが、どこか哀愁や抒情を感じさせる映画であるのに対し、本作「ホーリー・マウンテン」は、カルト度合では断然上をいく。全裸の男女(子ども含む)の登場はてんこもりだし、鮮血、暴力、エロティシズムと、グロテスクでシュールな描写が延々と続く。色彩もサイケデリックで強烈だ。この幻想的な映像を、近年ではHDリマスター版で鮮明に楽しめるようになったのは朗報だ。
不老不死の力を得るために、厳しい修行を積むというストーリーが一応あるものの、もはやこの圧倒的な映像の前に、物語は力を失っている。さらにラストのオチ(あえてこう呼ぶ)がスゴい。詳細は、映画を見て確かめてほしいが、完全に居直っているとしか言いようがないのだ。かつてフェリーニは、映画「そして船は行く」で、作りものである映画のセットそのものを映してみせたが、「ホーリー・マウンテン」の場合は、映画であることを強調することで、物語をひっくり返し、観客を煙にまいている。
ちなみに、このシュールな旅の仕掛け人である錬金術師を演じているのが、アレハンドロ・ホドロフスキー監督本人。本作の撮影中に、ホドロフスキーは「私は預言者なのかもしれない。いつの日か、孔子やマホメッド、釈迦やキリストが私の元を訪れることを想像することがある」と語ったそうだ。いったい本気なのか?!と言いたくなるが、なるほど、本作の登場人物と私たち観客は、この言葉通り、錬金術師(ホドロフスキー)によって、この世ならぬ場所へと導かれていくのだ。魂レベルで、恍惚感を味わえるカルト・ムービーである。
(出演:アレハンドロ・ホドロフスキー、ホラシオ・サリナス、ラモナ・サンダース、他)
(1973年/米・メキシコ/アレハンドロ・ホドロフスキー監督/原題「THE HOLY MOUNTAIN」)
・ホーリー・マウンテン〈デジタルリマスター版〉|映画情報のぴあ映画生活