2016年4月4日月曜日

見えない目撃者

source: 映画通信シネマッシモ☆映画ライター渡まち子の映画評




シャオシンは、3年前に事故で失明した元警察官候補生。彼女は、乗っていたタクシーが何かにぶつかったのを感じ取るが、執拗に問いただすと運転手は逃げてしまう。このひき逃げ事件と、世間を騒がせている女性失踪事件が関連していることをつかんだ警察は捜査を開始。シャオシンは警察に行って、事情を話すが、そこには、たまたまひき逃げ事件を目撃した若者リン・チュンが、目撃証言の奨金欲しさに訪れていた。刑事と共に事件を調べるシャオシンとチュンの2人は、謎の犯人に命を狙われてしまう…。

盲目のヒロインと彼女を助ける青年が謎の殺人者に命を狙われる中国映画のサスペンス・スリラー「見えない目撃者」。オリジナルは韓国映画「ブランインド」で、同作の監督アン・サンフンが本作でもメガホンを取っている。大まかな設定はオリジナルと同じだが、違うのは犯人像だ。得体が知れずつかみどころがない恐怖を感じさせた韓国映画に比べ、本作はどこか愛情ベースで、犯人はサイコだが比較的動機もわかりやすい。それから、ヒロインのシャオシンを助ける歌手志望の青年チュンを演じているのが、元EXOルハン(LUHAN)ということで、歌唱シーンが用意されるなど、どことなくアイドル映画の趣も加味されている。携帯のカメラを使って誘導するところがいかにも現代風だ。とはいえ、随所に無理がある設定は、とりあえず目をつぶるしかないが、逃避行のスリリングな演出は、オリジナル同様、ドキドキさせられた。
【50点】
(原題「THE WITNESS」)
(中国/アン・サンフン監督/ヤン・ミー、ルハン、ワン・ジンチュン、他)
(スリリング度:★★★★☆)
チケットぴあ

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見えない目撃者@ぴあ映画生活