2016年4月26日火曜日

ずっと前から好きでした。 告白実行委員会

source: 映画通信シネマッシモ☆映画ライター渡まち子の映画評


ずっと前から好きでした。~告白実行委員会~ (角川つばさ文庫)
桜丘高校3年生の夏樹は、幼なじみの優に片思い中。本人を目の前にしても素直に思いを伝えられない夏樹は、告白の練習相手になってと頼み、自分の気持ちをごまかしてしまう。彼女の友人のあかり、美桜らもまた、それぞれ好きな人への思いに揺れていた。そんなある日、夏樹は、おとなしいクラスメートの恋雪からデートに誘われるのだが…。

思いを寄せる幼馴染に好きと伝えられず、告白の練習相手といってしまったヒロインのもどかしい恋模様を描くアニメーション「ずっと前から好きでした。 告白実行委員会」。原案となったのは、小説や漫画ではなく、「告白予行練習」「初恋の絵本」などのクリエイターユニットHoneyWorks(通称ハニワ)による人気楽曲だというところが、本作の個性だろう。しかし、この約1時間のアニメーション映画は、音楽ファンにも映画ファンにも消化不良としかいいようがない後味を残してしまう。メインとなる物語は、幼馴染である夏樹と優の恋。互いに思いあっているのに素直になれない2人の心情はしっかり伝わるし、誰もが望む結末へと向かう展開は好感が持てる。だが、2人の友人たちやサブキャラの恋愛模様などをつめこみすぎて、どれも中途半端なのだ。おそらくひとつひとつのエピソードは魅力なはずなのに…と推察する。動画で音楽やPVを楽しんでファンになった人たちのため息が聞こえてきそうだ。ただ、魅力がないわけではない。キャラクターのビジュアルはとても可愛く表情も豊かだ。神谷浩史をはじめ人気声優を使っている贅沢さもある。何より、ついに告白した夏樹に優が言う「こちらこそよろしくお願いします」のセリフは、ファンを萌えさせるに違いない。
【50点】
(原題「ずっと前から好きでした。~告白実行委員会~」)
(日本/柳沢テツヤ監督/(声)神谷浩史、戸松遥、梶裕貴、他)
(萌え度:★★★★☆)
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