2016年6月5日日曜日

高台家の人々

source: 映画通信シネマッシモ☆映画ライター渡まち子の映画評


映画ノベライズ 高台家の人々 (集英社オレンジ文庫)
29歳のOL・平野木絵は、何かと妄想しては自分の世界に入り込むクセがある口ベタで地味な性格。そんな彼女が務める会社に、高台光正がニューヨーク支社から転勤してくる。元華族、資産家の名家、イケメンのエリートの光正が、何の接点もあるはずがない木絵を気に入り、いきなり食事に誘う。実は光正は人の心が読めるテレパスで、人間関係に辟易していたが、木絵の妄想を楽しみ、純粋な彼女に惹かれていたのだ。二人は順調に交際するが、元華族という家柄、さらにはテレパスであることを知った木絵の不安から、木絵と光正の関係は変化していく…。

「ごくせん」の作者として知られる森本梢子の人気コミックを実写化したロマンチック・ラブコメディー「高台家の人々」。脳内での妄想に、人の心を読める能力テレパスがからむ一種のファンタジーだ。ヒロインの突拍子もない妄想が次々に映像化される前半パートはテンポよくコミカルに進む。だがもともとがアリエナイ設定なのに、テレパスであることによる恋の障害が…と柄にもなくシリアスになる後半は明らかにトーンダウンしてしまう。高台家の家族それぞれのドラマも表層的で、駆け足すぎてがっかりだ。まぁ、この映画にいろいろと真面目にツッコミを入れるのもヤボというもの。物語の基本は、少女漫画にありがちな“玉の輿願望”全開のストーリーなのだが、綾瀬はるか、斎藤工の二人のキャスティングはなかなかハマッている。ぼーっとして天然という少女のような大人女子をやれるのは、日本映画界広しといえども綾瀬はるかくらいのものだろう。ヒロインが、純粋で他人の悪口など言わず、一見地味だが根は明るくて優しい性格だからこそ、幸福になれるのだと、これまたおとぎ話の教訓のごとし。テレビドラマに限りなく近いライト感覚のラブコメだった。
【40点】
(原題「高台家の人々」)
(日本/土方政人監督/綾瀬はるか、斎藤工、水原希子、他)
(妄想度:★★★★☆)
チケットぴあ

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