source: 映画通信シネマッシモ☆映画ライター渡まち子の映画評
魔法国家ルシスは、神聖なクリスタルを狙うニフルハイム帝国と長年にわたり対立を続けていた。ルシス国王レギス・ルシス・チェラム直属の特殊部隊“王の剣”のニックス・ウリックらは、魔法の力を駆使して、ニフルハイム軍の侵攻に抵抗していたが、敵の圧倒的な戦力の前に、レギス王は、王子ノクティスを政略結婚させ、首都インソムニア以外の領地を放棄するという苦渋の決断を下す。それぞれの思惑が交錯する中、ニックスは、未来の王のために、人知を超えた戦場と化したインソムニアで、ルシス国の存亡をかけた戦いに向かう…。
全世界でシリーズ累計1億1000本を超える大ヒットを記録している人気ロールプレイングゲーム(RPG)のファイナルファンタジー(FF)をベースにした劇場版アニメ「KINGSGLAIVE FINAL FANTASY XV」。FFはさまざまな形で映画化されているが、本作は、FFと同じ世界、時間、キャラクターを有するもうひとつの物語だ。FFの映画化というと、ゲームファン、映画ファンの両方をがっかりさせてきた経緯があって、いささか心配したのだが、まずは本作は、映像美という点では圧倒的なクオリティで満足感がある。作りこまれたCGは、ハリウッドのそれに勝るとも劣らない。人物の表情や髪の毛1本にまで気を遣う作り、めまいがするほど緻密な細部や背景に、しばしば見惚れてしまった。スピード感あふれる迫力のアクションによって、その凝りに凝った細部が見えづらくなるという少々残念なおまけ付きだったが。特に感心したのは、光と影の演出で、奥行きや深みが素晴らしい。物語は、2つの勢力によるファンタジー・アクションで、きわめてオーソドックスなストーリーなので、映像の完成度に比べて新味はない。がっかりしたのは、ヒロインの声を演じる忽那汐里の存在だ。彼女は実写映画ではさほど悪くない女優なのに、本作で声優を務めたとたん、この棒読み状態はいったいどうしたことなのか?!主人公を演じる綾野剛をはじめ、人気俳優も参加し、そこそこ健闘している中、あまりに酷い“声の演技”に、すっかり脱力してしまった。製作サイドの事情があったのだろうが、アニメーションはやはりプロの声優に限る。
全世界でシリーズ累計1億1000本を超える大ヒットを記録している人気ロールプレイングゲーム(RPG)のファイナルファンタジー(FF)をベースにした劇場版アニメ「KINGSGLAIVE FINAL FANTASY XV」。FFはさまざまな形で映画化されているが、本作は、FFと同じ世界、時間、キャラクターを有するもうひとつの物語だ。FFの映画化というと、ゲームファン、映画ファンの両方をがっかりさせてきた経緯があって、いささか心配したのだが、まずは本作は、映像美という点では圧倒的なクオリティで満足感がある。作りこまれたCGは、ハリウッドのそれに勝るとも劣らない。人物の表情や髪の毛1本にまで気を遣う作り、めまいがするほど緻密な細部や背景に、しばしば見惚れてしまった。スピード感あふれる迫力のアクションによって、その凝りに凝った細部が見えづらくなるという少々残念なおまけ付きだったが。特に感心したのは、光と影の演出で、奥行きや深みが素晴らしい。物語は、2つの勢力によるファンタジー・アクションで、きわめてオーソドックスなストーリーなので、映像の完成度に比べて新味はない。がっかりしたのは、ヒロインの声を演じる忽那汐里の存在だ。彼女は実写映画ではさほど悪くない女優なのに、本作で声優を務めたとたん、この棒読み状態はいったいどうしたことなのか?!主人公を演じる綾野剛をはじめ、人気俳優も参加し、そこそこ健闘している中、あまりに酷い“声の演技”に、すっかり脱力してしまった。製作サイドの事情があったのだろうが、アニメーションはやはりプロの声優に限る。
【55点】
(原題「KINGSGLAIVE FINAL FANTASY XV」)
(日本/ディレクター:野末武志、脚本:長谷川隆/(声)綾野剛、忽那汐里、磯部勉、他)
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