source: KUBRICK.blog.jp|スタンリー・キューブリック
フルメタル・ジャケット 日本語吹替音声追加収録版 ブルーレイ(初回限定生産/2枚組) [Blu-ray]
11月8日に発売される「【初回限定生産】フルメタル・ジャケット 日本語吹替音声追加収録版 ブルーレイ」。スタンリー・キューブリック監督による製作から30周年を記念し、1991年に水曜ロードショーでの放送が予定されていながら、直前になって放送中止となった“幻の日本語吹替音声”が収録される。当時、この日本語字幕・吹替の翻訳と、日本語吹替の演出を担当したのは、映画監督の原田眞人。BDの発売にあたり、原田氏がその経緯や裏話を説明した。
(全文はリンク先へ:AV Watch/2017年11月6日)
日本語吹き替え版はTV用ではなく、映画用だったというのはちょっとした驚きです。そういえばキューブリックは『博士…』を「衝撃の多くをセリフに頼っている」「字幕では面白さが損なわれる映画」と語っていたので、『フルメタル…』も同様に考えていたのかもしれません。『2001年…』や『シャイニング』などのビジュアル重視系は字幕でもOKだが、『博士…』や『フルメタル…』のようにセリフ重視系は吹き替えで、という判断なのでしょう。日本以外の非英語圏では吹き替え版を作らせていたようですので、外国映画は吹き替えで鑑賞するのが基本のアメリカで生まれ育ったキューブリックが、「非英語圏での公開は吹き替えが基本」と考えていたとしても不思議ではありません。ただ、ゲルマン・ラテン語系ではない日本語の独自性とその難しさも理解していたはずですので、『フルメタル…』の頃にやっと吹き替え版を作る体制が整った、ということでしょう。
そう考えると原田氏が『フルメタル…』の字幕や吹き替え作業で果たした役割は大きい、ということになります。上記の記事からもキューブリックは原田氏に信頼を寄せていたことが伺えます。ちなみに『フルメタル…』公開後のこのインタビューでも字幕の出来の良し悪しを気にしていることからも、キューブリックにとって『フルメタル…』の日本語化は大きな挑戦だったのでしょうね。