2018年1月27日土曜日

【ブログ記事】キューブリックが『バリー・リンドン』の歩兵シーンの参考にしたドイツの画家、カール・レヒリング

source: KUBRICK.blog.jp|スタンリー・キューブリック


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カール・レヒリング作『ロイテンの戦い』(上)と『モルヴィッツの戦い』(下)(引用元:ART.com



 『バリー・リンドン』でバリーが参加したのは七年戦争の「ミンデンの戦い(1759年8月1日)」で、イギリス軍対フランス軍の戦闘でしたが、キューブリックはその映像化にカール・レヒリングが描いた『ロイテンの戦い(1757年12月5日)』『モルヴィッツの戦い(1741年4月10日に)』の絵を参考にしたそうです。「ロイテンの戦い」も「モルヴィッツの戦い」も対戦したのはプロイセン軍対オーストリア軍ですので、英仏が戦ったものではありませんが、同じ時期の戦闘ですので参考にしたのでしょう。

 特に『ロイテンの戦い』の絵は、打ち鳴らす太鼓も銃弾を浴びてもんどり打って倒れる兵士も映画と全く同じですね。キューブリックはこのように18世紀をそのままフィルムに映し取ることに固執し、膨大な絵画資料を漁ったようです。リサーチマニアのキューブリックらしいエピソードですね。