source: KUBRICK.blog.jp|スタンリー・キューブリック
東京・愛宕山にあるNHK放送博物館。山を登るために設置されたシースルーのエレベータはちょっと怖かったです。
今回の2018年12月1日、NHK4K・8K開局に合わせ、午後1時10分からOAされた8K版『2001年宇宙の旅』ですが、視聴環境を選ぶか画像確認を選ぶか迷った挙句、クローズドの視聴環境を選んで、東京・愛宕山にあるNHK放送博物館の8Kシアターで視聴してきました。
NHK放送博物館の8Kシアターは200インチという大型スクリーンですが、リアプロジェクション(スクリーンに背後からプロジェクターで映像投射)です。ですので、もともとアナログで撮影された映像を、8Kネガスキャンとはいえ存分に味わうには最適の視聴装置とは言えません。ですが照明も暗く落とされ、映画館のようなクローズドな環境(視聴者以外は立ち入り禁止)であるため、集中して作品を鑑賞したい場合には適しています。対して大型8Kテレビで視聴した場合、ドットバイドットで画素自体が発光するという8Kのポテンシャルを確認するには最適な視聴装置です。しかし設置場所はロビーや店頭などのオープンな環境で、画面サイズも80インチがせいぜい。照明の写り込みや他の放送の雑音、通りがかりの視聴者の雑談など、集中して作品を楽しめる環境ではありません。
結局、NHK放送博物館を選んだのですが、8Kシアターはリアプロジェクションというハンデはあったにせよ、8Kのポテンシャルは随所に感じることができました。例えばオリオン号で浮遊するアトミックペンのシーンですが、ペン軸の「PARKER」の文字を確認することができました。
※参考画像
また、スターゲートのマインドベンダーのシーンで、ダイヤモンド型のそれぞれの面の模様がCGかと見まごうばかりにはっきりとクリアに見えました。
※参考画像
ただ、リアプロジェクションでは「これぞ8Kネガスキャン映像」と感じるまでには至りませんでした。音響も貧弱ですし、映画館のように座席に段差はなく、フラットな床にただ椅子を並べてあるだけです。もちろん「シアター」と言いながら無料の視聴(試聴)会場でしかないので、それはわかっていたのですが、字幕に至っては最前列以外は見えなかったのではないでしょうか。
このような経緯のため、色調や質感などの細かい検証は8Kをドットバイドットで見ていないためできませんが、それらの報告はTwitter上にいくつか挙がっていますのでそちらを参考にしてみてください。将来的に予測される8Kのソフト化についてもそれらが参考になると思います。
最後に報告として、110席満席になったのは12時50分頃、無画面部分には「前奏」「休憩」「後奏」とスーパーが表示されていました。字幕の訳者は木原たけし氏。ほとんどの方はドナウの最後まで着席したままで、上映後には拍手(70mmの時ほど盛大ではありませんでしたが)が起こっていました。
NHKからの正式発表はまだですが、2019年1月3日午後0時30分から再放送も決定しているようですので、今回見逃された方も次回はぜひお近くのNHKや家電量販店などに足を運んで見てはいかがでしょうか。