source: KUBRICK.blog.jp|スタンリー・キューブリック
『シャイニング』の続編『ドクター・スリープ』で大人になったダニー・トランスを演じるユアン・マクレガー。ジャック・ニコルソンがスタンリー・キューブリック監督作で怪演したジャック・トランスが続編にどのような影響を与えているのか語った。
(全文はリンク先へ:IGN Japan/2019年11月28日)
まあ、アルコール依存症は一応は台詞などで触れられていましたが、扱いは小さかったですからね。キューブリックは「観客が心の底から震え上がるような最恐の恐怖映画」を作りたかったので、これは方向性の違いとしか言いようがないです。
アルコール依存症とその克服が社会問題になっているのはそうですし、それならそれをテーマにし小説を書けばいいだけの話です。スティーブン・キングが『シャイニング』を批判するとき、やたら「アルコール依存症」「家族の愛の物語」「父子の絆」を強調しつつも、肝心のホラー描写についてはダンマリなのは解せません。要するにコンプレックスの裏返しなんだろうと思います。自分自身を反映し、思い入れもたっぷりに書いた小説を遥かに上回る影響力を見せつけるキューブリックの映画版。今回の小説『ドクター・スリープ』の映画化をキングが許した背景に、その「コンプレックス」を払拭する意図(キューブリックの前作よりいい映画だという評価が欲しい)があったのだとしたら、キングの昨今の「おもねりっぷり」も理解できます。
個人的にはキングにはいつか「キューブリックの映画版は私の小説とはテーマは異なるけど、素晴らしい作品だ」と「降参」してほしいと心より願っています。