source: KUBRICK.blog.jp|スタンリー・キューブリック

レンズ周りに少しパーツを加えているように見えます。

ハッセルブラッド 500C 水中カメラケース

ケースの中に入っていた(と思われる)ハッセルブラッド 500C
「真空用」ではなく「水中用」だったんですね。商品名も特定されていて、「ハッセルブラッド 500C 水中カメラケース(Hasselblad 500C Underwater Camera Housing)」です。おそらく中に入っていたカメラもハッセルブラッド 500Cではないかと思われます。その時代に現存するカメラをそのまま使ったんですね。
ではなぜ月面用カメラに水中カメラが選ばれたのか?ということですが、キューブリックとクラークの間でこんな会話があったとか、なかったとか。
「なあアーサー、月面で使うカメラのことなんだけど、どんなものがいいと思う?」
「そりゃスタンリー、宇宙と水中は似てるから水中カメラに決まってるよ!なんたって俺はしょっちゅう海に潜っているからね」
「なるほど、確かに水中で写真撮ってもらうには〈パートナー〉が必要だもんな」
・・・冗談はさておき、500Cは1962年に宇宙飛行士のウォルター・シラーがマーキュリーロケットに乗せ、宇宙空間を鮮明に記録した最初のカメラという名声を得たそうです。その情報をキューブリックは参考にしたのかも知れませんね。
ちなみにカメラマンを演じたのはバーネル・タッカーという俳優で、『スター・ウォーズ(新たなる希望)』で反乱同盟軍の通信士デル・ゴレンを、次作『スター・ウォーズ/帝国の逆襲』では同じく反乱同盟軍の氷の惑星ホスのエコー基地所属、ワイロン・サーパー大尉を演じています。詳細はこちらをどうぞ。
▼この記事の執筆に当たり、以下の記事を参考にいたしました。
ハッセルブラッドの歴史