source: KUBRICK.blog.jp|スタンリー・キューブリック
ここしばらくの間話題になっているアニメ『鬼滅の刃』第4話『最終選別』に、『シャイニング』の双子の少女のオマージュらしきキャラが登場しているのでご紹介。ストーリーは鬼に家族を殺され、妹も半分鬼にされてしまった主人公炭治郎(たんじろう)が、妹を人間に戻すために鬼との戦いに身を投じるというもので、作画も高品質で安定しており、大人でも普通に楽しめるアニメになっています。で、この少女たち、名を「産屋敷(うぶやしき)かなた、(輝利哉)きりや」と言いまして、実は姉妹ではなく兄妹、双子ではなく五人兄妹の中の四女と長男です。まあ、それはともかくも、同じセリフをユニゾンで無表情に語る姿はまさにあの双子。影響はヒシヒシと感じます。
この兄妹の元ネタが本当に『シャイニング』かどうかは置いておいて、「恐怖アイコン」の鉄板になってしまった「双子の少女」という設定を普及させた、という意味において『シャイニング』とキューブリックが果たした役割は大きかったと言えるでしょう。さらに元ネタを辿ればダイアン・アーバスの写真に行き着くわけですが、キューブリックは最初から双子のキャスティングを意図していたわけではなかったので(詳細はこちら)、単なる「成り行き」とも言えなくもないですが、キューブリックやレオンが安易なキャスティングで妥協しなかったことが、この「恐怖アイコン」の成立を呼び込んだわけですから、やはり創作において「徹底的にこだわる」という姿勢は非常に重要だと言えると思います。
その反面、双子を持つ親御さんにしてみれば、安易に双子コーデをさせてしまうと「怖い!」「やめて!!」という風評被害に悩まされているかもしれません。双子本人たちにとっても迷惑な話ですので、リアルではあまりそういうことは言わないであげて欲しいものです。「双子というだけで目立ってしまうので嫌だった」(小学校時代、違うクラスからも見にこられたらしい)とは身近にいる双子本人の弁ですが、双子は双子にしかわからない悩みがあるみたいですね。