2020年9月6日日曜日

【関連動画】『フルメタル・ジャケット』でハートマン(ガーハイム)軍曹役に決定していたティム・コルセリが、舞台でハートマンを演じた動画

source: KUBRICK.blog.jp|スタンリー・キューブリック


ワーナーからの電話を受け「スタンリー・キューブリックは私に多大なる信頼を寄せているってよ!!」と叫ぶティム・コルセリが可笑しい。

 ヘリから眼下の農民を撃ち殺し、「戦争は地獄だぜ!」と笑うドアガンナー役のティム・コルセリは、当初はハートマン軍曹役にキャスティングされていたのは有名な話ですが、そのコルセリが舞台でハートマン軍曹を演じた動画がありましたのでご紹介。

 こうして演じた姿を見てみると、確かに原作小説『ショート・タイマーズ』に登場したガーハイム軍曹にぴったりですね。ガーハイムは「ビール腹」と描写されていたので、線の細いリー・アーメイと随分と印象が違います。アーメイに俳優が変更になって「ガーハイム」という役名のイメージと合わなくなり、「ハートマン(心ある男)」に変更になったのかも知れません。

 コルセリはこの抜擢を喜び、大変名誉に思ったそうですが、その後の台詞の猛特訓も虚しく、リー・アーメイに役を奪われてしまいました。その失望は大変大きく、キューブリックに対して殺意を抱くほどだったそうです。ですが最終的にエンドクレジットに大きく自分の名前が載っているのを見て、感激したとインタビューで語っています。

 コルセリのガーハイム(ハートマン)軍曹を本編で観て見たかった気持ちもありますが、こちらで紹介した「リズミカルで含蓄・示唆に富んだ麗しき罵倒語の数々」が実現していたかといえばそれは微妙な気がします。コルセリは態度と怒声で威圧するタイプ、アーメイは皮肉と当てこすりで圧をかけるタイプ。キューブリックが好きそうなのはどう考えても後者です。コルセリには悪いですが、このキャスティング変更は正解だったと思わざるを得ませんね。

情報提供・翻訳業力:カウボーイさま