source: 映画通信シネマッシモ☆映画ライター渡まち子の映画評
(ショートバージョン)
ヨーロッパ中央部に位置するアルプス山脈を鳥瞰的な映像で撮影した驚異的なドキュメンタリー。ヘリコプターに搭載された特殊カメラでアルプスの全貌をとらえていく。
ヨーロッパ7ヶ国にまたがるアルプス山脈の大パノラマを堪能できる「アルプス 天空の交響曲(シンフォニー)」はまさに映画だからこそできる試みだ。太古の昔から山は仰ぎ見る神々しい存在。しかし今や、ヘリコプターに搭載した、アメリカの諜報局が開発した特殊カメラ“シネフレックスカメラ”によって私たちはアルプスを“見下ろす”視点を手に入れた。それは鳥の視点。いやむしろ、神の視点に近いのだろう。名峰ドロミーティやモンブランからアルゴイ地方、アレッチ氷河などの映像は雄大で壮麗のひと言に尽きる。難を言えば、あまりに美しすぎる映像が延々と続くので、いつしか心地よい眠気に襲われること。加えて、ヘリを飛ばせる環境は天候に恵まれた時に限られるので、アルプスの穏やかな面だけしか写っていないことだ。この静謐で優しいアルプスは、悪天候で荒れ狂い、人や動物の命を容赦なく奪う獰猛な顔を隠しているのだ。94分の遊覧飛行を堪能できる、美しい映像体験は、ぜひ劇場の大スクリーンで味わいたい。
【60点】
(原題「A SYMPHONY OF SUMMITS - THE ALPS FROM ABOVE」)
(ドイツ/ピーター・バーデーレ監督/(ナレーション)小林聡美)
・アルプス 天空の交響曲〈シンフォニー〉@ぴあ映画生活
