2015年7月20日月曜日

チャップリンからの贈りもの

source: 映画通信シネマッシモ☆映画ライター渡まち子の映画評


チャップリンからの贈りもの
(ショートバージョン)
1978年、スイスのレマン湖畔。妻が入院し幼い娘を抱えたオスマンは、貧しい生活を送り、妻の入院費も払えない。刑務所から出所したばかりの親友エディは、喜劇王チャップリンの遺体を盗み出し、家族から大金を取ろうというトンデモナイ計画を持ちかける。最初は反対したオスマンだったが、いつしか犯行に巻き込まれるが、素人2人の計画は穴だらけで次々にボロが出てしまう…。

喜劇王チャップリンの遺体誘拐事件を描く「チャップリンからの贈りもの」は、なんと実話がベースだそう。無論、誇張もあるだろうが、深夜の墓地でせっせと棺を掘り起し、よっこらしょと車に積んで、別の場所に埋め直すとは、いくらのんびりした70年代とはいえ、セキュリティはどうなっているんだ?!と思わず心の中でツッコミを入れてしまった。犯人は必死だがマヌケすぎて、チャップリン家からもほとんど相手にされない始末。犯罪映画というよりも人情話のこの作品、映画全体にチャップリンへのオマージュがあふれているのがいい。そもそも有名スターの遺体を棺ごと誘拐するなんて、チャップリン本人が聞いたら、迷わずコメディ映画にしてしまいそうだ。何だかウソのようなホントのクライム・コメディだが、これを作ったのが「神々と男たち」のグザヴィエ・ボーヴォワ監督というのが、ちょっと意外。チャップリンの息子ユージーンと孫娘ドロレスの出演や、チャップリン映画で使われた名曲の数々、そして映画音楽の巨匠ミシェル・ルグランの音楽と、実は贅沢な映画だ。チャップリンの秘書役のピーター・コヨーテが、とぼけた迫力を醸し出していて、なかなか良い。
【60点】
(原題「LA RANCON DE LA GLOIRE」)
(フランス/グザヴィエ・ボーヴォワ監督/ブノワ・ポールヴールド、ロシュディ・ゼム、セリ・グマッシュ、他)
(人情度:★★★★☆)
チケットぴあ

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