2015年7月28日火曜日

攻殻機動隊 新劇場版

source: 映画通信シネマッシモ☆映画ライター渡まち子の映画評


攻殻機動隊 新劇場版 O.S.T.music by Cornelius
(ショートバージョン)
2029年、戦後最大の事件ともいうべき総理大臣暗殺事件が発生。草薙素子は、はぐれ者ばかりを集めた部下たち、バトーやトグサらと調査を開始する。被害者の中には草薙のかつての上司クルツもいた。捜査を進めるうちに、事件の背後には、戦後の義体開発の障害である「デッドエンド」を巡る動きや、電脳ウイルス「ファイア・スターター」の存在が浮かび上がる。草薙は自分の生い立ちに関わるある手がかりをつかみ、ただ一人で事件に立ち向かおうとするが…。

シリーズ最新作となる「攻殻機動隊 新劇場版」は、後に攻殻機動隊と呼ばれる公安9課創設秘話もさることながら、類まれなハッカースキルを持つ全身義体のサイボーグ、主人公・草薙素子の出生の秘密、とりわけ幼少期のエピソードが描かれるのが新鮮だ。だが物語は、国家間の政治的陰謀と軍需産業の思惑がからみあうもので、かなり複雑。その中で権力VS個人という構図が浮かび上がる仕組みになっている。人間とは何か、モノ(義体)と生身(人間)はどう違うのか。この問いが「攻殻機動隊」シリーズを貫いているが、今や現実でもネットやロボットなどデータ化した世界で人間がどう生きるべきか問われている。「ゴーストに従え」という草薙の言葉は、自分で考えない人間はモノと同じだということだ。まぁ、思えばこれは最初から言い続けていることで、わざわざ「新劇場版」として改まって言うことでもないのだが。ドSキャラのヒロイン同様、一見さんには優しくない作りなのは相変わらず。映像の美しさは、ますますクールである。
【60点】
(原題「攻殻機動隊 新劇場版」)
(日本/野村和也監督/(声)坂本真綾、塾一久、松田健一郎、他)
(誕生秘話度:★★★★☆)
チケットぴあ

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