2015年7月27日月曜日

ハッピーエンドが書けるまで 

source: 映画通信シネマッシモ☆映画ライター渡まち子の映画評


STUCK IN LOVE
(ショートバージョン)
3年前に離婚したのに今も別れた妻エリカが忘れられない作家のビル。娘で女子大生のサマンサは両親の浮気や離婚などで恋愛不信になり、さらに父を捨てて新しい男とつきあう母親を嫌悪して断絶状態。息子ラスティは母親とはいい関係を保っているが、恋愛に臆病な性格。そんな時、サマンサは同級生のルイスから思いを寄せられ、ラスティはドラッグの問題を抱えるケイトに初めて恋をする…。

恋愛にさまざまな思いを抱く家族の再生を描く「ハッピーエンドが書けるまで」は、佳作「きっと、星のせいじゃない」がヒットしたおかげで、ようやく日本で公開されたジョシュ・ブーン監督のデビュー作だ。なんだか甘ったるい邦題がついているが、原題の「STUCK IN LOVE」は、愛にハマリこんだ状態、愛の中で身動きがとれない、といった意味。つまり泥沼状態である。一見バラバラに見えて、文章をつむぐ才能に恵まれた家族は、そのことでやんわりと繋がっている。ままならない恋愛と心情は丁寧に描かれるが、エピソード過多な上に、さしたる大事件も起こらない展開は、少々、起伏に欠ける。だが父ビルが妻が戻るのを待つ本当の理由は、なかなか切ないし、少々丸くおさまりすぎるラストは、監督の「こうあってほしい」という願望のようで、それもまたやるせないものだ。恋愛だけでなく家族の愛情さえも、思い切って伝えられない人々のリアルな姿は、信頼関係こそが人生の糧なのだと教えてくれる。リリー・コリンズをはじめ、豪華キャストが揃う中、学校の人気者を演じている新人俳優は、アーノルド・シュワルツェネッガーの息子パトリック・シュワルツェネッガー。なかなかのイケメンで、今後に注目だ。
【60点】
(原題「STUCK IN LOVE」)
(アメリカ/ジョシュ・ブーン監督/リリー・コリンズ、ローガン・ラーマン、グレッグ・キニア、他)
(再生度:★★★★☆)
チケットぴあ

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